制作から8年経った TWIN PEAKS The Return 12章 Let’s Rockを観なおしてみる

 サウダコタ州バックホーンのホテルで,ゴードン・コールが自宅から持ってきたワインを囲んで,ゴードン・コール,アルバート・ローゼンフィールド,タマラ・タミー・プレストンが集まり「Here7s to the bureau! FBIに乾杯!」と言っています.Bureauhは,官庁などの課,局,部などという意味です.ここでは,FBIのことを指しています.

 アルバート・ローゼンフィールドが,タマラ・タミー・プレストンに「青いバラ」について説明します.1970年に,20年間UFOを調査してきて実在する証拠が見つからなかったことから,軍のブルーブック計画が封印されました.その数年後,軍とFBIが協力して極秘チームを立ち上げ,ブルーブック計画の残した謎につながる不可解な事件の調査し始めました.その事件に関わった女性が死ぬ前に発した言葉から”Blue Rose Case”と呼ばれるようになったとのことです.この事件は、それまでと違う道を進まない限り答えにたどり着けないと考えられていました.「数年後,陸軍とFBIがトップシークレットで特別なチームを立ち上げた.ブルー・ブックが解決できなかった困難な事象について研究するために.そういう事象のひとつで,亡くなった女性が死に際に言った言葉にちなんで,ブルー・ローズと名付けた通常の捜査では導けない,別のやり方でないと答が見つからないものだ」と言うことのようです.

 ゴードン・コールは,チームリーダーとしてフィリップ・ジェフリーズを起用しました.そして,他のメンバーはアルバート・ローゼンフィールド,デイル・クーパーチェット・デズモンドの3人でした.そして,アルバート・ローゼンフィールド以外のメンバーが失踪してしまっているので,新しいメンバーを加えることを躊躇していましたが,ゴードン・コールとアルバート・ローゼンフィールドは,タマラ・タミー・プレストンを新たなメンバーに加えようと決心したことを告げます.その申し出に対して,タマラ・タミー・プレストンは「やらせてください」と答えます.誇らしげなような,嬉しいような表情をしています.そこに,ダイアン・エヴァンスがやってきます.ワインを勧められて,氷を入れて欲しいと言います.それに対して,アルバート・ローゼンフィールドは「ちょうどよかった。ダコタは今も氷河期だ」と答えます.ゴードン・コールはダイアン・エヴァンスにも Blue Rose 特捜班への協力を求めます.「デイル・クーパーと組んでいたから,Blue Roseについても深く知っているはずだ」とゴードン・コールが言うと,ダイアンは指を2本立てLets rockと言います.このLets Rockは,シーズン 1, 2で赤いスーツの別の世界から来た男(マイクの左腕)が言った言葉です.この言葉とかけたのか,それともワインに氷(Rock Ice)を入れたこととをかけたのか,どちらでしょうか.どちらとも関係がないのかもしれませんが

 ジェレミー・ジェリー・ホーンが森から走って出てきます.未だにラリっているのかどうかはわかりませんが,車が盗まれたとか,自分はどこにいるのかわからないとか,足が動かないとか,色々な困難を乗り越えて,やっと森から出られたジェレミー・ジェリー・ホーンなのでした.

  スーパーでセーラ・パーマーが酒などの買い出しをしています.カートには結構な量のスピリッツのボトルが入れられていて,セーラ・パーマーは結構な量のお酒を飲むようです.レジでセーラ・パーマーは,ビーフジャーキーに目を奪われ,レジの女の子にそのビーフジャーキーについて「あのビーフジャーキー、前に見たことないわ。どんなジャーキーなの?」と尋ねます.レジの女の子が「ターキーです.ビーフではありません」と答えるとセーラ・パーマーは「スモークなの」と聞きます.セーラ・パーマーは外を見たりした後に,何となく声が低くなります.その後のやり取りは以下のような感じです.

         セーラ・パーマー:ジャーキーが入荷したとき、あなたはここにいた?

         レジの女の子:はい.2週間ぐらい前でした.

         セーラ・パーマー:あなたの部屋は様子が変わり男達が来る.

         レジの女の子:それは何の話ですか

         セーラ・パーマー:気をつけなくちゃならないと言っているの.何かが起きる.私の身にも起きた.私にも起きたのよ.気分が悪くなったわ.セーラ,やめて,やめてちょうだい.出て行って.車のキーはどこ?

 そして,意味不明な独り言を言って,セーラ・パーマーはスーパーから出て行ってしまいました.何か,人格が二つあるような言動ですが,セーラ・パーマーに何か異変が起こっているのでしょうか.スーパーの男の子は,家を知っているから品物を届けておくと言います.セーラ・パーマーは「男達」と言いました.男とはボブなどの存在のことなのではと思ってしまいますが,どうなのでしょうか.

 ファット・トラウト・トレーラーパークには,カール・ロッドは「9:30am(絶対に起こすな!) ~ 5:30pm」という看板を出しています.映画(ツインピークス ローラ・パーマー最後の7日間)でも同じような張り紙をしていましたが,夜は起こしても良いのでしょうか.カール・ロッドはトレーラーパーク内を杖をついて歩いているクリスコルに声をかけて,血を売るのはもうやめろと言い,生活の足しにするようにとお金を渡します. 

 サニー・ジム・ジョーンズは,デイル・クーパーをキャッチボールに誘い,ボールを投げますが,デイル・クーパーは全く反応せず,ボールが肩に当たってしまいます.デイル・クーパーはまだまだリハビリ中です. 

 トミー・ホーク・ヒルは,スーパーでのセーラ・パーマーの挙動がおかしかったことを聞いて心配し,パーマー家を訪ねます.セーラ・パーマーは,自分に何が起きたのかわからないと言います.家の中で物音がして,トミー・ホーク・ヒルは中に誰かいるのか」と聞きますが,セーラ・パーマーは「いいえ.台所の何かよ…まったくもう,なんて嫌な話なのだろう」と答えます.トミー・ホーク・ヒルは「何かあったら連絡してくれ」と言って,パーマー邸を後にします.セーラ・パーマーの様子や表情は,何だか変です. 

 ダイアン・エヴァンスは,一人でマティーニを飲んでいます.スマートフォンにメールが届きます.「Las Vegas?」と書いてあります.ダイアン・エヴァンスは「THEY HAVENT ASKED YET」と返事を返します.このメールはミスター・Cからのもので,ダイアン・エヴァンスはミスター・Cと通じているのでしょうか.

 フランクリン・フランク・トルーマンがベンジャミン・ベン・ホーンを訪ねます.フランクリン・フランク・トルーマンは,男の子をはねて死なせた犯人はベンジャミン・ベン・ホーンの孫のリチャード・ホーンだったと伝えます.そして,その目撃者であったミリアム・サリヴァンを殺そうとしたことも伝えます.「あいつはまともなことを一つもしない」とベンジャミン・ベン・ホーンはため息を吐きます.ベンジャミン・ベン・ホーンはフランクリン・フランク・トルーマンに,送られてきた315号室の鍵をハリー・Sトルーマンに渡してくれと言います.

 ベンジャミン・ベン・ホーンは,ビヴァリー・ペイジに,リチャード・ホーンは父親を知らないのだと言います.ベンジャミン・ベン・ホーンは父親に買ってもらった,中古で買って黄緑色と深い緑色のツートン・カラーに塗って貰った大好きだった自転車のことを思い出します.シーズン12でも,ベンジャミン・ベン・ホーンはグレート・ノーザン・ホテルの地鎮祭のような時のベンジャミン・ベン・ホーンの父親や,ジェレミー・ジェリー・ホーンと一緒に写っている映像を映写機で見ていました.ベンジャミン・ベン・ホーンの幼少時代は家族で過ごす時間の多い,幸せな時間だったのかもしれません.ベンジャミン・ベン・ホーンは,ビヴァリー・ペイジに,ミリアム・サリヴァンの治療費は全額負担するようにして欲しいと指示します.リチャード・ホーンは父親を知らないということですが,我々は,リチャード・ホーンの父親も母親も誰なのか知りません.

 

 アルバート・ローゼンフィールドがゴードン・コールの部屋を訪ねると,ゴードン・コールは赤い服のフランス人女性(ベレニス・マーロウ)と抱き合っていました.彼女は,お母さんの友達を訪ねてきたのだとゴードン・コールは言います.「娘さんを探してる.お母さんはカブ農場を持ってる.だから言ったんだ.娘さんはカブバックするって」ダジャレです.このフランス人女性を演じているベレニス・マーロウは,007 Skyfallにも出演しています.

 アルバート・ローゼンフィールドはダイアン・エヴァンスがメッセージのやりとりしたことを伝えます.「突き止めよう.だが、今夜のところは素晴らしきボルドーワインに戻らせてもらうとしよう」と言います.この噛み合わない会話と見つめ合う二人.素晴らしいデイヴィッド・リンチワールドです. 

 ハッチとシャンタルが,マーフィー所長の帰りを待っています.ハッチは拷問しなくていいかと言いますが,シャンタルは腹が減ったからいいと言います.マーフィー所長が帰宅したところをハッチはライフルで撃ち殺してしまいました.殺し屋夫婦の会話とはこのような感じなのでしょうか.マーフィ所長が帰ってきたのを出迎える息子の声が悲しく響きます. 

 ローレンス・ジャコビーがドクター・アンプとして放送をしています.「我々は泥の中にいる.金のシャベルで泥を掘り出し外へ出よう!」と言うのを,ネイディーン・ハーレーがうっとりして聞いています.二度塗りしてある黄金のシャベルいったいそれは何なのでしょうか.

 オードリー・ホーンが,机に向かって原稿を書いている夫のチャーリーに話しかけています.やっと,オードリー・ホーンの登場です.相変わらず,眉毛がクイっと上がっています.リチャード・ホーンは,この二人の息子なのでしょうか.

 

オードリー・ホーン:電話を待つのはうんざり.ロードハウスに行くわ.あとはあそこしかない.一緒に来てくれるの?

チャーリー:私は仕事の締め切りがある.この書類の山を見てくれ.しかも夜遅くだぞ.私もビリーを見つけたいが,明日じゃダメか?今日は新月で暗いからゆっくり寝て,明日にしよう.

オードリー・ホーン:あなたはなんてクズなの.自分が失踪した時に「仕事が優先」と言われたい?あなたは卑怯で度胸のない負け犬よ.わかっているの?自分がそういう人間だって.

チャーリー:締め切りがあるんだ.仕事は人生の義務なのになぜ責める?ビリーはどこかにいるが,今日は見つけられっこない.

オードリー・ホーン:あなたには分かるの?水晶玉でものぞいたの?2日前から姿を消しているビリーがどこにいるのかをその水晶玉で占って.

チャーリー:よせ.水晶玉なんて持っていない.もう遅いし眠い.でも,寝る前に仕事がある.

オードリー・ホーン:かわいそうなクソ野郎.

チャーリー:夫にそう言う口をきくな.私は優しくしてきた.君も私を優しいと言うだろう.

オードリー・ホーン:だから何よ.跪いてあんたに感謝と愛情を捧げろと?

チャーリー:そう言う言い方は我慢できない.

オードリー・ホーン:チャーリーはっきり言っておくわよ.あんたがタマなしだから私はビリーが好きなの.だからビリーとファックしてる.昨夜,ビリーが夢に出てきて,花と口から血を流していた.夢は時に現実になる.探しに行くからあんたに守って欲しいのに,私が守らなきゃならないみたいね.あと,ティナも見つけなきゃならない.ビリーを最後に見た彼女と同じ部屋にいたくない.だけど彼女に電話もしてくれない.

チャーリー:そう怒るなよ.君のために言っているんだ.

オードリー・ホーン:それじゃあ,私が渡した書類にサインして

チャーリー:だが,この書類はどこか怪しいところがある.サインは弁護士に見せてからだ.

オードリー・ホーン:なるほどね.ポールに頼めばよかった.ポールに来て貰えば.

チャーリー:オードリーそう言うな.私には夫としての権利がある.

オードリー・ホーン:その権利を放棄した.

チャーリー:私たちの契約を忘れたのか?契約を破るつもりなのか?

オードリー・ホーン:そのつもりよ.今,ここでね.

チャーリー:わかったよ.オードリー.一緒に行く.眠いけど行くよ.行き先は?

オードリー・ホーン:ロードハウスだと言ったでしょ.

チャーリー:わかったよ.ジャケットを着る.君はもう来ているな.

オードリー・ホーン:出かけるんだから来てるのは当然でしょ.

チャーリー:森はとんでも無く広いのに,ロードハウスに行けば都合よく彼がいると思うか?

オードリー・ホーン:いいから,ジャケットを着て,クソ野郎.

チャーリー:ティナだが,今,電話する.私一人だと言うよ.彼女の旦那がいなければ何か聞き出せるかも.とにかくかけてみる.

オードリー・ホーン:じゃあ,かけてみてよ.ビリーを最後に見たのは彼女らしい.でも,チャックの言うことは当てにならない.

チャーリー:ティナが最後に見たとチャックに言ったのか?

オードリー・ホーン:そうよ.

チャーリー:チャックは先週ビリーの車を盗んだ.

オードリー・ホーン:何の話?

チャーリー:ビリーが見たんだ.チャックが車に乗って去るのを.

オードリー・ホーン:それで?

チャーリー:ビリーは保安官に話した.

オードリー・ホーン:それで?

チャーリー;その日に車が見つかった.

オードリー・ホーン:それから?

チャーリー;ビリーは車を取り戻し,訴えを取り下げた.

オードリー・ホーン:本当?なるほど.ティナに電話して.

チャーリーは電話をかけます.黒電話です.ここまでのやり取りすごく長かったです.頑張って二人の会話を追ってみたものの何のことやらさっぱりわかりません.ビリーもティナもチャックも誰のことだかわからず,オードリーの旦那らしき,チャーリーも誰なのかわかりません.最後に,オードリー・ホーンが「チャーリー!」と怒鳴りますが,見ているこちらもそんな気分です. 

 ダイアン・エヴァンスは,地図ソフトにルース・ダヴェンポートの死体の腕にあった座標を打ち込んでいます.表示された場所はツインピークスでした. 

 ロードハウスでは,The Chromatics Saturdayを演奏しています.ナタリーとアビーが話していて,話題はアンジェラ,メアリー.クラークについてです.アンジェラはクラークと付き合っていますが,クラークはメアリーと浮気しているらしい.アンジェラはあんなふうにママを亡くしたから,こんなの耐えられないとナタリーは言います.そこに,トリックがやってきて、道路で事故に遭いかけたと言います.ナタリーとアビーは,トリックは自宅拘禁中だったが刑期は終わって自由の身だと話します.これは,本筋と関係ある会話なのか,それともロードーハウスでの雑談なのでしょうか.

監督/脚本/制作総指揮:デヴィッド・リンチ,脚本/制作総指揮:マーク・フロスト,2017730日放送(米国)

Saturday / The Chromatics

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