The Man in the High Castle / 高い城の男 1-2 Sunrise / サンライズ

前回に引き続き,Amazon Primeで配信されている「The Man in the High Castle / 高い城の男」の,シーズン1 エピソード2のあらすじ等のメモです.

1-2 Sunrise / サンライズ

中立地帯のキャノン・シティのサンライズというダイナーで働き始めたジュリアナ・クレインは,サンライズに訪れる「折り紙を折る男」に会い,妹の接触相手だと考える.その男は,実はナチスの粛清分子を抹殺する工作員であり,ジュリアナからフィルムを受け取った後に,ジュリアナを殺そうとするものの,駆けつけたジョー・ブレイクの助けもあり,ジュリアナをダムから突き落とそうと襲いかかったところを,ジュリアナに合気道の技をかけられ,ダムから転落する.襲いかかる前に,折り紙を折る男は「トルーディ,お疲れさま」と言うことから,「イナゴ重く横たわる」と題された謎のフィルムをトルーディ・クレインが届けるというレジスタンスの活動は,大ナチス帝国にバレていたことがわかる.また,ジュリアナは,「折り紙を折る男」を投げ飛ばした現場に,フランク・フリンクが以前に描いた,ジュディの似顔絵(実際には,ジュディがフランクのデザインした宝飾品をつけている絵)を落としていってしまう.ジョン・スミスは通勤途中にレジスタンスから襲撃される.フランクの姉と子どもたちも逮捕され,フランクが協力しないとユダヤ人として処刑されると脅される.フィルムを含むジュリアナの荷物(実際にはジュリアナの異父妹のトルーディ・ウォーカーのもの)を盗んだ女が逮捕され,ジュリアナがフィルムを運んでいたのではないと日本太平洋合衆国の木戸武が判断したために,フランクは釈放されるが,フランクの姉と子供たちはすでにガスによって処刑されていた.
このエピソードでは,挿入歌として,坂本九の「上を向いて歩こう」と,ビリーホリディの「不思議な果実」が使用されています

 

以下は,エピソード2からの登場人物です.

折り紙の男(アラン・ハーヴェイ
登場:シーズン1
中立地帯で活動する大ナチス帝国保安部のスパイ.フィルムを所持するジュリアナを殺そうとするが,駆けつけたジョー・ブレイクの助けもあり,ジュリアナに襲い掛かったところを合気道の技をかけられ,ダムの堤体から投げ落とされる.

 

The Man in the High Castle / 高い城の男 1-1 The New World / 新世界

Amazon Primeで配信されている「The Man in the High Castle / 高い城の男」は,歴史改変SFで,第二次世界大戦で連合国がナチス・ドイツと大日本帝国に敗れた1960年代のアメリカが舞台となっています.ただし設定や人物名など多くがフィリップ・K・ディックの原作とは異なり,原作にない内容が大幅に追加されています.今後,何回になるのかわかりませんが,自分用のメモとして記事を投稿していく予定です.ちなみに,現行の原作小説の装丁はこんな感じ↓です.

 

「高い城の男」の概要は,以下のとおりです.

第二次世界大戦で,アメリカは首都ワシントンD.C.に原爆を投下され敗戦し、ドイツと日本により分割統治されて,国土の東側半分は大ナチス帝国の一部となり,西側の四分の一ほどが日本太平洋合衆国として日本により統治され,両国の中間には中立地帯がおかれている.世界の大半はドイツと日本に支配されており,両国は表向きは同盟国で友好関係であるものの,日本はドイツの技術力・軍事力に圧倒され,ドイツから軽視されつつあり,両国は敵対関係に入りつつある.東側ではドイツの親衛隊によって,西側では日本の憲兵隊によって,アメリカの人々の人権は抑圧され,両国に抗するレジスタンス運動がひそかに広がっている.西側のサンフランシスコ,東側のニューヨーク,および中立地帯を主な舞台として,体制を転覆させようとする,あるいは守ろうとするアメリカ人,日本人,ドイツ人たちによる群像劇である.「高い城の男」と呼ばれる謎の人物が自分たちの歴史とは全く異なる現実を撮影した,謎のフィルム「イナゴ身重く横たわる」がひそかに出回り,アドルフ・ヒトラーがそれを大ナチス帝国に対する深刻な脅威と判断したことで,フィルムを巡る争いが人々を巻き込んでいく.

 

シーズン 1の10話は, Amazonビデオ で2015年11月20日から配信されています.

 

1-1  The New World / 新世界
1962年,連合国が枢軸国に敗れた世界のアメリカで,ドイツの傀儡国家である大ナチス帝国の親衛隊大将ジョン・スミスの下で働くスパイであるジョー・ブレイクは.禁制のニュース・フィルムを調査するよう命じられる.日本の傀儡国家である日本太平洋合衆国のサンフランシスコに住み,合気道を学ぶジュリアナ・クレインは、ユダヤ人の出自を隠す宝石デザイナーのフランク・フリンクと同棲している.貿易大臣の田上信輔はベルリンからやってきたナチ将校のルドルフ・ウェゲナーに会う,ジュリアナの目の前で妹のトゥルーディ・クレインが憲兵隊に殺されるが,その直前に,ジュリアナはトゥルーディから連合国が勝った歴史を映すフィルムを受け取り,ジュリアナは妹がレジスタンスであったことを知る.ジュリアナは妹の遺志を継いで,妹から受け取ったメモにあった場所を目指してフィルムを中立地帯に運ぶが,途中で荷物が盗まれてしまう.ジュリアナとジョーは中立地帯で出会う.フランクはフィルムを追う木戸武憲兵隊大尉に逮捕され,大ナチス帝国に送還されて処刑されそうになる.

 

以下は,エピソード1の登場人物に関するメモですが,先々のことも書いているため,ネタバレとなります.

 

ジョン・スミス(ルーファス・シーウェル) 
登場:シーズン1-4
ニューヨークの親衛隊本部に勤務する大ナチス帝国の親衛隊大将.旧アメリカ合衆国出身で,かつてはアメリカ陸軍に所属しており,南太平洋ソロモン諸島での激戦を経験した.合衆国陸軍では大尉であったが,親衛隊では大将にまで登りつめ,1945年のワシントンへの原爆投下の際には,近郊の自宅から閃光とキノコ雲を目撃した.ジョー・ブレイクを使ってフィルムの調査と回収にあたる.高い戦闘能力を持っており,また,ナチス内部の陰謀を敏感に察知する嗅覚や用心深さも備えている.郊外の邸宅に妻と子供たちと暮らし,家族思いである.ナチスというのは強者ばかりを称賛し、病者や身体障害者などの弱者に対しては冷酷で弱者を抹殺しようとする組織であるため,自らもその思想に染まってナチスへ献身している.だがある日,息子・トーマスが不治の難病にかかっていると医師から告げられ,ナチスが抹殺対象とみなす弱者となる運命にあると知り,深く思い悩み,彼を生かすために奔走する.ホイスマンのクーデターを鎮圧した功績からアメリカ人として初めて親衛隊上級大将に昇進し,さらには北アメリカ国家元帥に昇進してヒムラーの腹心の地位を確立する.その一方で,トーマスを喪ったことで妻・ヘレンとの関係が悪化していき,並行世界で生存しているトーマスに依存するようになる.シーズン4ではゴーツマンと共謀してクーデターを起こしてヒムラーを暗殺し,大ナチス帝国から自治権を獲得して北米長官に就任する.日本の撤退を機に北米統一を目指して黒人共産反乱軍との戦争を宣言し,同時に並行世界からトーマスを連れ出すことを画策するが,ジュリアナやワイアット率いるレジスタンスに襲撃されヘレンを喪ってしまう.最期は幸福な人生を送る並行世界の自分に想いをはせながら自殺する.


ジョー・ブレイク (ヨーゼフ・ホイスマン)(ルーク・クラインタンク
登場シーズン:1-3
ナチスの工作員.レーベンスボルンで生まれた純血のアーリア人で,ナチス高官のホイスマンを父に持つが,生後間もなく母に連れられてニューヨークに移住する.スミスの命令でレジスタンスに潜入して,キャノンシティにフィルムを輸送したことからジュリアナ・クレインと行動を共にし,彼女に好意を抱く.また、任務の範疇を超え『イナゴ身重く横たわる』の内容に興味を抱く.その後,ホイスマンに呼び出されてベルリンに向かい、そこで自分の出自を知り,父の秘書としてベルリンに留まる.ヒトラーの死後,全権を掌握して日本との戦争を画策する父に反対し,ジョン・スミスと協力して戦争を止めようとするが,ジョン・スミスによってクーデター首謀者として父共々逮捕される.シーズン3ではヒムラーの命令で父を処刑し,彼直属の暗殺部隊に配属さて,「ヨーゼフ・チナデーラ」の偽名を使ってニューヨークに帰還する.ヒムラーの指令を受けてクーデター派の暗殺を行い,さらに田上信雄の命を狙う中でジュリアナ・クレインと再会する.ジジュリアナ・クレインを利用して田上信雄の暗殺とアベンゼンの拘束を画策するが,彼女に殺害される.

 

ジュリアナ・クレイン(アレクサ・ダヴァロス
登場:シーズン1-4
アメリカ西側の日本太平洋合衆国サンフランシスコの住民.実の父が日本軍との戦いで南太平洋にて戦死しており,母や親類は日本を憎んでいる.ジュリアナ・クレインも政治や信条としては日本を好きではないが,合気道を美しいと気に入っており,道場に通っている.異父妹トルーディが抵抗運動に参加して日本の憲兵隊に射殺された際に所持していたフィルム『イナゴ身重く横たわる』の謎を追って,中立地帯のキャノンシティを訪れている時に,ジョー・ブレイクと出会う.秘密を探るために,日本太平洋合衆国政府の職に応募し,田上信輔のスタッフとして勤務する.

 

フランク・フリンク(ルパート・エヴァンス
登場:シーズン1-3
ジュリアナ・クレインと同棲するボーイフレンドでユダヤ人の血を引く白人男性.宝飾品加工の確かな腕を持っているが,抑圧下のアメリカでは宝飾品は贅沢品として作ることが許されていないため,不本意ながら金属加工の技術を活かして模造銃工場で働いている.ジュリアナ・クレインとの平穏な生活を望んでいたが,フィルムを巡る争いに否応なく巻き込まれる.妹家族を憲兵隊に殺されてレジスタンスとなり,憲兵隊本部爆破テロ事件を起こす.その際に,自らも火傷を負って中立地帯のユダヤ人共同体に身を隠し,そこで反戦メッセージを込めた絵を描くようになる.当初は妹(ローラ・クローザース)家族の敵討ちのために無関係の人々を巻き込んでテロ事件を起こした罪悪感に苛まれていたが,ユダヤ人共同体での生活やアート活動を通して次第に,元気を取り戻すようになる.その後,再会したエド・マッカーシーと共に街中に絵を描いたところを,木戸に逮捕され,処刑される.

 

エド・マッカーシー(DJクオールズ) 
フランク・フリンクの同僚で親友.同性愛者で,かつてはフランク・フリンクに想いを寄せていた.憲兵隊に追われるジュリアナとフランク・フリンクを助けようと奔走する.フランクが皇太子狙撃犯の嫌疑をかけられた際に彼をかばって犯人として名乗り出て投獄され,憲兵隊に協力することを条件に釈放される.その後はフランク・フリンクとロバート・チルダンと共に美術品の贋作製作に携わるが,フランク・フリンクによるテロ事件に対する憲兵隊からの報復から逃れるために,ロバート・チルダンと共に中立地帯に脱出する.避難先のデンバーで出会ったジャックと親密な関係になり,チロバート・チルダンと別れて同地に残ることを選択する.フランク・フリンクの生存を知ると,彼のアート活動に協力し,彼の死後はジャックと共にサンフランシスコに向かってチルダンと再会し,3人でフランク・フリンクの絵を街中に掲げ,フランク・フリンクの遺志を継ぐことを決意する.シーズン4には登場しなくなり,その後の去就は不明となる.

 

トルーディ・ウォーカー(コナー・レスリー
登場シーズン:1-3
ジュリアナ・クレインの妹.レジスタンスの一員で,木戸武に射殺されるが,死の直前にフィルムをジュリアナに託す.シーズン3では並行世界から「こちら側」に迷い込みアベンゼン夫妻のもとで半年ほど暮らし,その際にジュリアナと出会う.

 

アン・クレイン・ウォーカー(マコール・ゴードン)
登場シーズン:1-2
ジュリアナとトルーディの母.日本人に対して嫌悪感を抱いている.

 

田上信輔(ケイリー=ヒロユキ・タガワ
登場:シーズン1-3
日本太平洋合衆国の通商大臣.思慮深く,皇太子妃からの信頼も厚い.易占いを好む.平和主義者で,核抑止力によって戦争を回避するために,ナチスの原爆技術を日本に持ち込もうと,ウェゲナーと共に秘密裏に活動する.民族主義者ではなく,人種偏見が少ないため,白人であるジュリアナ・クレインにも敬意を持って接する。妻子とは死別している。並行世界の一つでは妻子は健在で、息子がジュリアナ・クレインと結婚していることから,彼女に特別な庇護を与えている.ナチスとの戦争を回避するために奔走していたが,陸軍強硬派によって暗殺される.

 

ルドルフ・ウェゲナー(カーステン・ノルガード
登場:シーズン1
親衛隊大佐.ジョン・スミスの旧友.日本との戦争回避のために田上信輔と手を組み,ナチスの原爆情報を日本側に漏洩させるが,ジョン・スミスに露見して拘束される.その後,ハイドリヒに身柄を引き渡され、家族の身の安全と引き換えにヒトラー暗殺を命じられる.総統大本営でヒトラーを暗殺しようとするが失敗し,その場で自殺する.

 

木戸武(ジョエル・デ・ラ・フエンテ
登場:シーズン1-4
日本太平洋合衆国の憲兵隊幹部.階級は警部・大尉で,シーズン4では大佐に昇進している.出身は福島県郡山で,かつてはスミスと同じソロモン諸島の戦闘に従軍していた.私服でレジスタンスの摘発及び『イナゴ身重く横たわる』の回収にあたっており,トルーディ(ジュリアナ・クレインの異父妹)を射殺した.ジュリアナ・クレインをかばう田上と対立しており,スミスやヤクザとは協力関係にある.フィルムを託されたジュリアナ・クレインの行方を捜す中でフランク・フリンクを逮捕し,ユダヤ人である彼の妹家族をガス室で殺害したことで,フランク・フリンクから恨まれている.日本がアメリカから撤退する際にはサンフランシスコに残留するが,息子である木戸徹がヤクザに多額の借金を抱えたことで,息子の解放と引き換えにヤクザの一員となる.

dexed

YAMAHA DX7 のソフトシンセであるdexedLogic Pro で使えるようにセットアップしました.
まずは,dexed のサイトにアクセスして,ページ右上部分の"MAC"フォルダをクリックしてインストーラーをダウンロードします.この時点でのバージョンは 0.9.8 でした(GitHubのサイトはこちら).

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dexed のホームページトップ画面

ダウンロードしたファイル( dexed-0.9.8-macos.zip )を解凍するとdmgファイル( dexed-0.9.8-macos.dmg )が現れます.そして,このdexed-0.9.8-macos.dmg をダブルクリックすると dexed-macOS-0.9.8.pkg というインストーラーが現れるので,これをダブルクリックして,インストーラーの指示に従って特に何もせずにインストールを進めます.注意するとしたら,以下の画面のように何をインストールするかを尋ねる画面があるので,その画面では全てにチェックを入れておきました(AU対応しているようなので,VST3は外しても良いような気もするのですが…).

画像
dexedをインストールするためのチェック項目

このインストールが終わると,dexed が使えるようになっていました.

dexed 関連のダウンロードサイト
DX7 のオペレーティングガイドブック,取扱説明書の ダウンロードサイト
DX7 のsysex サウンドパッチのダウンロードサイト Yamaha DX7 sysex Sound patches

久しぶりに 攻殻機動隊 / 士郎正宗 を読む #8 DUMB BARTER

本当は漫画からの切り抜きを文中に貼り込もうと思っているのですが,作業が追いついていません...

タイトルのDUMB BARTERは,日本語では沈黙交易と呼ばれます.これは,異文化間の交流において,言葉や直接の対面を避けて,中立地帯で交互に品物を置いて交換する取引形式のことを指します.別名「無言交易」,「沈黙取引」などとも呼ばれ,物理的接近を避けることで対立や捕獲の危険を回避して,平和的に物資を獲得する手法のことです.

 

相馬という太々しい人相の男が電脳のメンテナンスをしています.メンテナンスの完了にあたって,ドクターが「最後にモデルイメージとシンクロするかどうかテストを」と言いますが,相馬はその必要はないと言います.その理由は,相馬が「ネットしたかったモノとうまくシンクロしているようだから」と言っています.ドクターは何のことかわからないようです.
この,相馬がネットしたかったものとは何でしょうか.また,ドクターの後ろには相馬のものと思われる思考戦車が置かれています.この思考戦車と上手く繋がっているということでしょうか

草薙素子が制服を着て,男に午後には帰れると思うと,男に言っています.彼氏ができたようです.その時に呼び鈴が鳴り,草薙素子の頭には画像が浮かび,4階の錆田三田と言います.草薙素子の電脳はマンションの警備システムと繋がっているようです.草薙素子が玄関のドアを開けようとしたところ.ショットガンのような銃で玄関がぶち抜かれます.ショットガンの装填音に反応した草薙素子は即座に銃を抜いて打ち返します.相手を倒したかと覗き込んだところ,相手の腹にはC4爆弾が巻かれていて,その後に爆発します.
オペレーターから草薙素子のベッドで爆発があったことがオペレーターから荒巻に告げられ,バトーは病院へ,イシカワは現場へ急行します.
病室を出ていく彼氏と,草薙素子は付き合い始めてから7ヶ月のようで,そのことを揶揄ったバトーは草薙素子に殴られています.頭を殴られたバトーは痛がっていて,自分も全身サイボーグ化するかな...などと言っています.バトーの目は義体化されていることは間違いありませんが,どのくらい義体化されているのでしょうか.映画の GHOST IN THE SHELL では,最後のあたりで狙撃される草薙素子を義体化されている腕で庇いますが,漫画とは設定が異なるのか(もしかすると漫画の中でもバトーの腕は義体化されている可能性もありますが)もしれません.

草薙素子は,この事件の容疑者はテロリストの相馬亨だと言います.今回の草薙素子のベッドが襲われたのと同じ方法で,過去に相馬亨の殺害を試みていたようです.草薙素子はトグサと一緒に捜査(荒巻曰く,犯人を釣るための餌)を行います.トグサと草薙素子の乗る車には少し離れてフチコマも連れています.フチコマには,尾行車両に照準を合わせているようです.草薙素子は蛍と呼ばれる情報屋のところに寄ります.そこで,相馬亨があまり群れずに単独で行動するタイプで,現在の顔の写真を入手します(写真には冒頭で電脳のメンテナンスを受けていた男がうつっていました).また,弁天一家というギャングと近づきたかっっていたものの,弁天一家も相馬のことをよく思っておらず,取り合わなかったため,その関係は成立しなかったことがわかります.その後,廃工場に入り,草薙素子とバトーを尾行してきていた連中を迎え撃とうとします.この時,フチコマもいるし,すぐにカタがつくだろうと鷹を括っているトグサに,草薙素子は「ダメよトグサ,たとえ相手が小学生でも全力投球しなきゃ」と注意します.やはり,この姿勢が,草薙素子が歴戦を生き残ってきた所以なのではないかと思います.その廃工場に少し遅れてトラックが到着したのをみて,草薙素子は,トグサに,フチコマでトラックを今すぐ破壊するように指示を出します.フチコマは指示通りにミサイルを撃ち込みますが,トラックの中から出てきた思考戦車に逆に返り討ちに合ってしまいます.打たれたフチコマが反撃しようとすると破壊されると考えたのか,草薙素子はフチこまに死んだふりをしているように指示し,本部に完全武装のフチコマ4体と援軍を要求します.ちなみに撃たれて瀕死状態のフチコマは,相手の思考戦車を見て「わお♡」と喜んでいます.この思考戦車はドイツ製のようです.

草薙素子は,相手は相馬亨率いるテロリスト集団だけではないようだと予測しています.それに対してトグサが「相馬に手を貸している合法組織があると?」と言っていることから,テロリストやギャングではない公的な組織が一緒になって草薙素子を狙っているようです.相馬亨の思考戦車の撃つ弾は光景が大きく強力なようで,草薙素子は左手の肘から下を打ち飛ばされてしまいます.右手にナイフを持って戦う草薙素子は,銃を持っている彼氏と鉢合わせます.お互いに,なんでここにいるんだという表情を見せた後,草薙素子は彼氏の肩にナイフを投げ,本部のオペレーターに敵は公安1課だと部長に伝えるように言った後に,怒って通信機を握りつぶします.さすが全身義体化されたサイボーグです.怪力です.本部のオペレーターは荒牧部長は,現在公安1課のところへ行っていると言おうとしたところ,(草薙素子が通信機を破壊したので)通信が切れてしまい呆然としています.

荒巻部長は,公安1課に乗り込み,課長に1課の部隊を撤退させるように迫ります.ここで,弁天一家に無視された相馬亨が腹いせで取引相手の麻薬王アナコンダの情報を売ろうとしたことが明らかになります.構図としては,アナコンダは弁天一家を潰し,公安1課はアナコンダを押さえて,相馬亨は草薙素子を得るということのようです.相馬は思考戦車で草薙素子を追い詰めます.アームで草薙素子の頭蓋を掴んで破壊しようとしていたところに,駆けつけたボーマからバトーが受けとったロケットランチャーを撃ち込み,思考戦車は停止し,思考戦車から出てきた相馬亨を草薙素子の彼氏が殴り,倒れたところに,草薙素子がバトーから受け取った銃で弾丸を撃ち込みます.

相馬の目的は最初から草薙素子で,公安1課が乗ってきそうなネタを仕入れるために弁天一家に接近していたようです.また,実際に相馬亨がアナコンダを知っていたのかどうかは怪しいどころか...冒頭で草薙素子が制服を着ていたのは某国の公安大臣とアナコンダの暗殺作戦の成功を祝っての祝賀会をするためだったことを彼氏に明かします.すなわち,アナコンダは草薙素子たちによって暗殺されていて,公安1課はそのことを知らずに,相馬亨からアナコンダの情報が入ることを期待して草薙素子を売っていたのでした.そして,草薙素子の彼氏の名前は最後までわからずじまいでした.

最後のコマで公安1課の課長が轢き逃げにあって重体となったというニュースが流れています.その横で車に乗っているボーマが「あー疲れた」と言っていて,車には絆創膏のようなものが貼ってあることから,轢き逃げの犯人はボーマなのでは...と思われます.

久しぶりに 攻殻機動隊 / 士郎正宗 を読む #1 - 7

攻殻機動隊は,1989年に士郎正宗氏が講談社のヤングマガジン海賊版で連載を開始したSF漫画です.電脳戦や格闘などで優れた能力を持つ,全身義体で少佐階級を持つ草薙素子をリーダーとした攻殻機動隊が,近未来のサイバーパンクな舞台で,複雑化する犯罪と対峙するなかで,哲学的な問いや技術的ない未来予測が散りばめられているストーリーです.

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ファンの多い攻殻機動隊ですが,作品が発表された1989年前後は第二次AIブームが終焉し,AIの冬といわれる時期に入った頃になります.この当時のAIに関する世の中の動きや雰囲気は分かりませんが,AI開発に関する一種の落胆ムードのようなものがあったのではないかと想像します.

各話の解説というか解読に関しては,第一話から第七話までとても詳しい解説があります.これらは,とても詳しく,そうなのかぁ...という箇所がたくさんあります.記事が7話で終わってしまっているのがとても残念です.

note.com

7話までの解説等は,上記のブログに詳しいので,まずは,7話までで,用語の定義や疑問点,およびブログで述べられていないことなどについて再確認した内容を書いておきます.

 

01 PROLOGUE(2029.3.5)

冒頭に物語の舞台として「企業のネットが星を被い,電子や光が駆け巡っても国家や民族が消えてなくなる程情報課されていない近未来」という説明があります.ここで「企業の」という所に,若干の違和感を覚えます.ネットはインターネットを指していて,インターネットに企業が関連しているのは間違いありませんが,かといって誰かのものというわけではなく,数多くの人によって,勝手に成長し続けている情報網,かつ情報(データ)だと思います.もしかすると「企業の」という言葉には私が思ったこととは違う意味があるのかもしれませんが,どうなのでしょうか.

また,舞台は日本です.映画の THE GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1996)イノセンス INNOCENCE(2004)における街並みは,サイバーパンクにありがちな,香港の街(例えば,過去の九龍城砦の街並み)のような描写で文字は基本的に漢字のみですが,原作の街並みは,日本と香港の都市の中間的な描かれ方です(落書き等には日本語が使われている).また,攻殻機動隊の話は,アップルシードの100年前の話ということで,士郎政宗氏のアップルシード イラスト&データブックの年表をみると,攻殻機動隊の舞台がどのような世界なのかを知ることができます.

p.4 (Kindle版 p.8)で襲撃前の草薙素子が「暗号変換 AI任せだとネコにもネズミにも聞かれるわよ」と言っています.ここでのAIが製作時にどのようなイメージだったのかはわかりませんが,現在の状況で考えると,LLMによる機械学習プログラム(例えばChat GPTやGemini などの,現在,一般的に AI と呼ばれているもの〜個人的には機械学習によるプログラムをAIと呼ぶことには結構な違和感がありますが...〜)レベルで作れる,既存プログラムレベルの変換プログラムといった感じで捉えれば良いでしょうか.

p.8 (Kindle版 p.12)の草薙素子が襲撃した後に,光学迷彩を纏って地上に降りていくシーンがあります.このシーンは後に攻殻機動隊における象徴的なシーンとして使われています.また,設定では,光学迷彩が実戦に配備されたのは2005年で,2040年頃まで光学迷彩が使われていたとされています.第一話は2029年3月5日のことで,草薙素子が纏っているのは2902熱光学迷彩で,2029年製の型式改造タイプという注釈があります.

最後のコマで,それまでは少佐と呼ばれていた主人公の草薙素子が,内務大臣のオフィスに座っていて,サイボーグだと説明されています.

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2026.07.07 追記

カンテレ・フジテレビ系で,攻殻機動隊シリーズの新作テレビアニメ「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」が放送されました.
第一は,01 PROLOGUE と同じ内容です.

声優の人たちは以下のように一新されました.以下の記述においてカッコ内はこれまでの声優です.
草薙素子:坂本真綾(田中敦子)
荒巻大輔:山路和弘(阪脩)
バトー:安元洋貴(大塚明夫)
トグサ:中村悠一(山寺宏一)
イシカワ:後藤光祐(仲野裕)
サイトー:奈良徹(大川透)
フチコマ:金田朋子(玉川紗己子)

草薙素子の第一声は「うるさいな.わかってるって.暗号変換AI任せだと,猫にも鼠にも聞かれるわよ」でした.「暗号変換AI任せ」というのも相当,現実味を帯びてきているキーワードだと感じます.

youtu.be

ネットで拾った,声優の方々のコメントを転載しておきます.

■坂本真綾(草薙素子役)コメント

攻殻機動隊にはこれまでもご縁がありましたが、今回素子の声を担当させていただくことになったのは、思いがけないことでした。幼いころから共演の機会が多く、人としても俳優としてもずっと尊敬してきた大好きな田中敦子さんが、長い年月をかけて大切に育み愛してきた素子。

今作で素子役をというお話をいただいたとき、どうしてもすぐに受け止めることができませんでした。でも監督やプロデューサーさんとお会いし、攻殻機動隊にあこがれ影響を受けてきた世代のクリエイターたちがリスペクトを込めて挑戦する作品であると伺い、まっすぐな熱意に触れ、もし私にできることが少しでもあるのならと考えました。

全話の収録はすでに終わっています。この作品に向き合うことが、私にとって敦子さんへの感謝と寂しさを噛みしめる大事な時間になったように思います。

今作の素子は表情豊かでエネルギッシュで、コミカルなシーンも多いです。このような素子をアニメで見るのは初めてで新鮮でした。そのぶん演じるのはとても難しかったです。軽やかさの奥で、素子が人知れず欠落を抱えながらも進んでいく、その原動力とは何なのかずっと考えていました。

これから先どれほど時が流れ時代が変わっても、攻殻機動隊が世界中の人々に与えるインスピレーションと問いは永遠だと思います。いつまでも愛され憧れられ続ける、伝説のような作品に携わらせていただけたことを大変ありがたく感じています。

■山路和弘(荒巻大輔役)コメント

「攻殻機動隊」。このタイトルが懐かしい。私が初めて劇場アニメに関わったのが、この作品だった。田中敦子が居た。家弓家正さんが居た。お二人とも鬼籍に入られたが、自分が緊張の極み状態だった所為か昨日のことの様に憶えている。また関われた事が誇らしい。そして今回、荒巻というダサカッコいいオヤジに対面し、ともに収録は出来なかったが、先に録った坂本真綾の落ち着いた声に包まれた時、いうに言われぬ幸せを感じた。この作品、たまらない。

■安元洋貴(バトー役)コメント

若かりし時よりずっと愛してやまない攻殻機動隊。その世界に自分が関われる事になるとは、人生何があるかわからないもんですね。ただただ、精一杯努めます。これしか言えないです。よろしくお願いいたします。あ、そうだ。攻殻機動隊展行ってたんですけど、それを話すと匂わせとか言われても嫌だから話せずにいました。それだけが辛かったです(笑)。ちなみに展示は最高でした。

■中村悠一(トグサ役)コメント

これまで何度もアニメ化され、そのどれもが魅力にあふれた本シリーズの最新作に参加ということで、シリーズを観てきていた自分には青天の霹靂といいますか…とにかく驚いたのを覚えています。

参加することが決まってからはそこまで時間も置かず収録が始まり、トグサ、本作では敢えてトグサ君と呼びたいところですが、彼への向き合いがほぼ時間を占めてきたと思います。トグサ君は経験値が無いわけではないですが、「9課」の仕事をするという中では甘いところもあるので、喜怒哀楽が豊かでこれまでのイメージとは少し違ったタイプになると思います。

視聴者のみなさんの目線になれるキャラクターとして演じていきたいです。初めて本作に触れる方はもちろん、これまでシリーズを愛してくださっている方にも楽しんでいただける作品になっていると思います。迫力ある映像やアクションだけでなく、現代にも通じるテーマや問いかけが数多く盛り込まれていますので、じっくり味わっていただければ嬉しいです。新たな「攻殻機動隊」をよろしくお願いいたします。

■後藤光祐(イシカワ役)コメント

攻殻機動隊は学生時代に出会い、当時はまだ多くを理解できず、大人な渋い作品だと感じていました。それが大人になり、攻殻機動隊の面白さに触れ、憧れを抱き、今作品でイシカワに携われました。イシカワを家具で例えるならソファーだと個人的に感じております。多くの方がこの作品への様々な想いがあるのを承知しております。僕も同じく想う1人です。それらを受け止めたうえで、考え、丁寧に、そして攻めの姿勢でモノづくりに挑戦していきました。では、電脳の世界へいってらっしゃいませ。

■奈良徹(サイトー役)コメント

TVアニメ「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」楽しみであると同時になんとも言えない緊張感があります。どういう映像になるのか、どんな音楽が作品の空気をつくるのか。出演者ではありますが、僕自身楽しみにしています。僕はサイトーをつとめさせていただきます。本当に光栄に思っています。

攻殻機動隊。ありがたいことに、以前出演させていただいたことがあるのですが(一度だけですが)、令和の時代にこんな未来が待っているとはまったく想像できませんでした。あの時の自分に教えてあげたいです。ぜひ「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」楽しんでください。

■金田朋子(フチコマ役)コメント

声質的にバレやすいので(苦笑)。普段兼ね役が少ない私ですがいっぱいでてくるフチコマをなんとありがたいことに全て担当させていただきました! めちゃめちゃ嬉しかったです! そしてそれぞれのフチコマがみんな愛おしくてしかたないです!

ただ、昔、声を研究されてる先生に私の声を見ていただいたことがあるのですが、シロテテナガザルが危機感を感じた時に仲間を呼ぶ時の音波と一緒らしく、そんな私がたくさんのフチコマの声を担当させていただいたこともありもしかしたらなんですが謎の頭痛が起きるかもしれません(苦笑)。その時は必ず耳鼻咽喉科に行ってください(苦笑)。

とにかく楽しかったですーーーー!! フチコマ最高ーーーー!! みなさんよかったら推しのフチコマ?? を見つけてみてくださいっ(笑)。

■大井麻利衣(オペレーター役)コメント

まさか自分が「攻殻機動隊」に携われる日が来ようとは…大変光栄です!たくさん映像化されている「攻殻機動隊」ですが、今回は原作に沿って、よりポップでコミカルな部分も感じ取れるかと思います。オペレーターことオペ子さんは、ゴーストを持たないアンドロイドで酷い目にあったりもしますが、設定資料をいただいた際、「(オペ子は)可愛いです。とにかく可愛くなれって思いながら描いて下さい。」の指示と、どの表情画にも「可愛い」と書いてあって愛を感じました(笑)。

オペ子は9課を見守る存在ですから、私も視聴者の皆さんと一緒に、全スタッフ・キャストの想いの詰まった今作品の放送を見届けたいと思います!

■茶風林(内務大臣役)コメント

憧れの「攻殻機動隊」に参加できて感無量であります。未来を先取りしたストーリー、それを裏付ける重厚な政治構造、イカしたメカの数々、セクシー満載、センスの良いウィット、その中で政治的ボスである内務大臣、横柄でありながらもその仕事はでたらめではない、そんな巨体のブルドッグのような内務大臣を演じることができて至福でありました。ぜひこの新しい「攻殻機動隊」をお楽しみください!

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02 SUPER SPARTAN (2029.4.10)

花見のシーン(草薙素子は,桜の24時間監視と言っていますが...)から始まり,草薙素子は桜の浮かんだ杯に入っている液体を飲んでいます.現代で考えれば日本酒なのかなと思いますが,サイボーグは日本酒を飲む(もしくは飲める)のかと不思議になります.日本酒の代わりに,高純度の油などなのでしょうか.

この回からフチコマが登場します.フチコマはロボットで,草薙素子達のアシスタント兼,人工知能を搭載した自律型の戦闘用車両という感じです.漫画の中では「思考戦車」とされており,先に紹介したブログには,思考戦車はThink Tankにかかっているだろうと書いてありました.そんな事には全然気づけなかったので,なるほどぉ〜といった感じで感心しました.

p.13(Kindle版 p.17)で,脳潜入(Brain diving)という言葉が出てきます.これは,他者に脳内に潜入させることでダイレクトに情報共有する事のようです.これは有線,無線の両方での接続が可能なようで,無線だと盗聴のリスクがあるようです.脳潜入には,ここまでしか潜入させないという設定ができそうなものですが,このシーンでは共有したい事〜今回は荒巻との会話〜以外の記憶(データ)にアクセスできるようになっているようです(とは言うものの,ゴーストラインより潜るなと言っているので,一応の境界は設けているようです).その証拠に,脳潜入を行なったメンバーは,本題と関係ない情報にアクセスしてそれに対するコメントをしていたり,草薙素子が「そろいもそろってゴースト近くまで潜ってきやがって」と言っています.おそらく,ゴースト近くまで潜るというのも技術が必要だと思われるので,メンバーの能力の高さを表しているのでしょう.

p.15(Kindle版 p.19)に登場した赤い服の女性はロボットです.草薙素子はスピーカーと,バトーはゴーストのないお人形と言っています.漫画の舞台では,人間は電脳化,義体化していますが,ゴーストを持っています.また義体は,人間型のロボットと似通ったものであるようで,一見,区別がつきにくいようですが,ゴーストを持っていません.例を挙げると,ロボットは今回登場した赤い服の女性や,フチコマで,サイボーグは草薙素子やバトーということになります.

p.30(Kindle版 p.34)で「そうしろとささやくのよ 私のゴーストが」という名セリフが登場です.このゴーストに関しては,また別の記事で書いてみたいと思います.

そして,最後に階級なしの実力主義の,犯罪の芽を探し出しこれを除去する攻性組織である公安9課が誕生します.

 

03 JUNK JUNGLE(2029.7.27)

p.52(Kindle版 p.56)でレズビアンセックス(注釈によると,実際の行為ではなく擬似体感ソフトを用いた擬似的な脳内の感覚のようです)をしていた草薙素子を呼び出し,脳に潜入したバトーは,気持ち悪がって「端末がない器官でよかったぁ〜」と言っています.これは脳潜入したことで,バトーは感覚を共有したものの,自身にない器官の感覚だったためによくわからず,気持ち悪いと感じたのだと思われます.注釈に異性には効果がないと書いてあるのは,このことだと思われます.草薙素子は全身を義体化しているので,体内に自身の期間は残されていないはずなのですが,その器官が過去に存在したということを脳が覚えていて,そこに作用するという設定のようです.また,後の 05 MEGATECH MACHINE 2 メイキング・オブ・サイボーグ のところでも草薙素子がこれらのことについて「物理的限界がないってのはおそろしーな」と呟くシーンがあります.確かにその通りで,脳内だけの世界で,肉体的なストッパーがかからなくなると,どうなってしまうのだろうかと思ってしまいます.ここで挙げている例だけではなく,例えば以前にTHE GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊感想などの投稿にも書きましたが,映画の中で,草薙素子がタンクのハッチを開けるために自身の手足が破損し,千切れてしまっても力を入れ続けるシーンがあります(結果的に草薙素子の義体は壊れてしまう).以前の投稿では,自身で義体が破損する警告を切ることができるのではないかと想像しましたが,物理(肉体)的,または精神的な限界(恐怖を感じること)は,自身を守るためのでもあり,重要な機能であることを,改めて感じます.

p.58(Kindle版 p.62)で,外務大臣の通訳が人工頭蓋を外されています.草薙素子が「ウィルスはいつ彼女のゴーストに達する?」と聞いていることから,通訳の女性はゴーストを持つ人間〜サイボーグ〜であることがわかります.人工頭蓋からは,結構太いケーブルが頭の中に繋がっています.人工頭蓋の中には脳が入っているのか,それとも脳も機械化されているのかは分かりません.

p.62(Kindle版 p.62)の注釈においてAIについての記載があります.ここでAI(Artificial Intelligence) について,

「人工知能」のこと.「コンピュータサイエンスにおいて実務的な情報処理以外に知的機能を研究する分野,またはその産物

と書いてあります.これまでの攻殻機動隊に関する投稿の中で,現在(2026)AIと呼ばれるLLMによるプログラム(Chat GPTやGemini)をAIと呼ぶには抵抗があるというのは,この定義によるものです.上記のプログラムはネット上の情報を学習して高度な(あたかも人と話しているかのような)やり取りはできますが,これは情報処理の域を出ておらず,上記の「知的機能」ではないと考えるからです.

外務大臣の通訳である女性が感染した HA-3 ウィルについて,草薙素子が 人格乗っ取り型のウィルスで,単体では無害で,ゲノムが揃うと動き出す と説明しています.ゲノムが揃うと動き出すというのはどういうことなのか...わかりませんでした.

p.64(Kindle版 p.68)以降のゴミ回収作業員がゴーストハックされるところは,GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1996)の元ネタです.

p.81(Kindle版 p.85)でトグサが射撃をしながら「あッ」と言うシーンがあります.その後,トグサは「いくら相手が少佐でも 自分のゴースト侵入鍵を他人が持ってて それを使われるといい気はしないぜ」と抗議するのに対して,草薙素子は「お前が奴のアタマを狙ったりするからよ」と言っています.これは,犯人の頭を狙ったトグサの行動を草薙素子が瞬時に制御したという意味です.これ以外のシーンでもありますが,作戦中は9課のメンバーはおそらく専用の回線で繋がっていて,通信は勿論,侵入鍵によってゴーストに入ることなどが可能なのだと思われます.02 SUPER SPARTAN で無線だと盗聴される(枝がつくという表現)とバトーが言っているシーン(p.13(Kindle版 p.17))がありますが,この状況では盗聴防止となっているのだろうかと思いましたが,それに対する答えは見つけられませんでした.

p.94(Kindle版 p.98)で,荒巻大輔が「擬似体験も夢も存在する情報は全て現実であり,また幻なんだ」といいます.この言葉にはなかなか深みがあるように思います.

 

04 MEGATECH MACHINE 1 ロボットの反乱

p.95 (Kindle版 p.99)注釈に

フチコマはAI(人工知能)である.朝,あるいは1単位の仕事を始めてから個別の経験をし個体差が生じるが,夜あるいは1単位の仕事が終わると全機の記録(外敵刺激の記録や事故状況の記録・前行動,思考記録etc.)をネットして互いにデータリンクを行い,次の朝あるいは,次の1単位の仕事を始める時には再び均質なものとなっている.装備の点で個性はあるがこれとAIとしての均質性とはあまりカンケーがない.

という記述があります.なので,フチコマチームは常に最も働き,学習した個体のデータを基に知能,データがアップデートされるので,全機が最も賢くて(?),同じ経験値を持っている状態になっているということになります.フチコマは朝,もしくは1単位の行動後に,全機がすっきりと均一化されるので,どの個体に乗っても同じということになるのでしょう(それでもバトーは自分のフチコマを1機に限定しているとのこと).これらは,機械が得意なことで,人間でこれをやろうとして,作業前,後のミーティングなどをしても,個々人の経験や学びを共有して均一化することは ほぼ無理で,能力差や気持ち等は開いていく一方です.なので,データを取り込むということに関しては,フチコマのようなAI(人工知能)は人間よりも全然優れています.

p.96(Kindle p.100)フチコマ同士での貶し言葉が「バグ持ち」「ポンコツ」というのが面白かったです.ですが,バグ持ちも翌朝には治ってしまう,もしくは,全機バグ持ちになってしまったり,全機ウィルス感染してしまうので,貶せる時間はすごく短いのだと思いますが....

p.97(Kindle p.101)の注釈に,

人間の定義もあいまいなのに,人間を超える(意味不明)AIができた場合に人間はそれを認識できるだろうか.

という問いが書かれています.確かにその通りですね.

05 MEGATECH MACHINE 2 メイキング・オブ・サイボーグ

サブ・タイトルの通りサイボーグを作る工程が示されています.そうなんだぁ〜という感じです.漫画の中では,全身義体化している人や,部分的に義体化している人がいるという設定です.ここで,03 JUNK JUNGLE(2029.7.27)のところでも書いたのですが,物理的な限界について,バトーが腕だけを義体化した例が描かれています.義体の腕には,50kgの重さのものを持ち上げる能力があるものの,腕のみを義体化して50kgの物を持ち上げようとすると,その義体が取れてしまう(義体とくっついている腕,もしくは肩が耐えられない)ということが描かれています.以前のTHE GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊感想などの投稿で,サイボーグは,義体破損の警告を自身で切ることができるのではないかと考えていましたが,ここで,50kgのオモリを持ち上げようとして腕がもげてしまい「わーっ」と驚いている姿からすると,義体化した際には破損の危険を知らせる信号は脳には伝わらないのかもしれません...(笑).多分そんなことはないとは思いますが....ここで,草薙素子が 部分サイボーグは「人間の能力を補う」全身サイボーグは「人間以上をつくる」 と解説しています.

ここで,この義体(サイボーグ)化に関して不思議に思ったことがあります.全身義体化してしまうと子どもを産むことはできないと思いますが,どうなのでしょうか.また,電脳化や義体化はどの程度の成長段階から始めるのかなどが気になりました.

終盤で,草薙素子が 私時々「自分はもう死んじゃってて今の私は義体と電脳で構成された疑似人格なんじゃないか?」って思う事あるわ と言います.これと似たようなことは,生身の人間でも考える(例えば,マトリックスのように,今感じていることは,現実世界のようでいて,実は仮想世界の出来事なのではないか...など)ことで,このようなことを感じたり,考えたりするのが人間の証なのかもしれないなと思いました.

 

06 ROBOT RONDO 10.1

このストーリーはイノセンス INNOCENCE(2004)の元ネタだと思われます(イノセンス INNOCENCE(2004)の感想はこちら).阪華精機のトムリアンデ型アンドロイドが暴走して殺人を犯してしまうという事件が起こります.

アンドロイドを製造している「阪華精機」という会社名を見て,同じようなネーミングの阪神電車を思い出しました.阪神は大阪の「阪」と神戸の「神」を合わせた物です.そう考えると,「阪華」は大「阪」と中「華」で中国の資本が入った会社なのだろうかと思いました.サイバーパンクの世界は,中国文化の影響が強い世界ですが,ここでもそのように考えて「阪華」というネーミングなのではないかと思ったりもします.

トリムアンデ型アンドロイドを探しているバトーがトレンチコートを着てネクタイを締めています.バトーはこれまでラフな服装でしたが,今回はビシッとしています.捜査中のバトーが「人口爆発に苦情を言ってもはじまらん」と言っています.上記の 05 MEGATECH MACHINE 2 メイキング・オブ・サイボーグ の箇所でも,義体化すると子どもが産まれないのでは...と書きましたが,人口爆発が生じるくらいに子どもが産まれているようです.

見本品のトムリアンデ型アンドロイドが狂うように仕込んだ繁華精機の久保沼部長は電脳化していなかったために自白剤を打たれています.ここで,全ての人が電脳化しているわけではないことがわかりました.また,この久保沼部長が狙撃され,犯人を追う際に,トグサがバトーのことを元レンジャーと呼んでいます.だからこそ,タフだし拷問もできるんですね.

p.137(kindle版 p.141)バトーは今回のトムリアンデ型アンドロイド暴走事件の発端となった(警察が自分たちを見つけてくれるように,ロボットが発狂するように久保沼部長にプログラムを仕込ませた)リンクとアダムを見つけ「犠牲者が出るとは考えなかったのか?」と問い詰めます.なお,イノセンス INNOCENCE(2004)ではこのセリフに続けて「人間のことじゃねえ.魂を吹き込まれた人形がどうなるかは考えなかったのか」と言っていました.

 

07 PHANTOM FUND 2029.12.24 

第7話は,アクションも豊富で面白いのですが,何故かひっかるところが少ない印象です.アクションの展開を面白い〜という感じで流してしまっているからでしょうか….

p.153(Kindle版 p.157) 九州庁 首都 福岡という地名が出てきました.今で言うところの「地方」が「庁」に変わったのでしょうか.それとも道州制のようなもので,州ではなく庁と呼ぶことになったのでしょうか.また,攻殻機動隊での首都は福岡です.

P.162(Kindle版 p.162) コイルに殺された矢野の遺体を葬るにあたって,イシカワが丁重に扱ってくれと言ってお金を渡したところ、受け取った方が丁重にだってさと言ってニヤニヤしています.これは単にお金を貰えて嬉しいのか,それとも別の意味があるのかわかりませんでした.話の最後に矢野のお墓があるので,お金だけ貰って何にしなかったといったことではなさそうですが….

P.170(Kindle版 p. 174) バトーのフチコマが「糸のブレーキオイルが凍って」と言って、ブレーキが効かずにズッコケている様子があります.これは,バトーが自身の専用フチコマに天然オイルォ入れていることが原因です.p.150 で天然オイルを入れて欲しいとフチコマが草薙素子におねだりするものの「アリやカビや凍結でトラブりたいのか」と言われて却下されていることの回収です.

 

以上,第一話から第七話までとても詳しい解説ブログを読みながら攻殻機動隊 / 士郎正宗を読み直してみました.第8話からは解説がないので,じっくりと解読する気で読み直してみたいと思います.それらに関しては別の記事で書いてみたいと思います.

Rewatching INNOCENCE

Following my previous post on Ghost in the Shell, this time I would like to share my impressions after revisiting INNOCENCE (2004).
INNOCENCE is the sequel to GHOST IN THE SHELL / Ghost in the Shell (1996), directed by Mamoru Oshii, and was released in 2004. The story of INNOCENCE is set three years after the ending of the previous film, in which Motoko Kusanagi disappears, and takes place in the year 2032.

A series of incidents occurs in which the Type 2052 Hadaly (HADALY), a girl-type pet gynoid sold by the mega-corporation Locus Solus, suddenly goes berserk for unknown reasons and brutally murders its owners. Incidentally, the prosthetic bodies used by Motoko Kusanagi and others are manufactured by Megatech Body, a supplier closely tied to the government, suggesting that multiple companies exist in this world that produce cyborg bodies. For reasons that are never fully explained, settlements between the victims’ families and the manufacturer are reached with unusual speed. Furthermore, some of the victims are former politicians or retired public security officials, raising the possibility of robot-based terrorism. As a result, Public Security Section 9 is assigned to the case, and Batou and Togusa begin their investigation.
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*A gynoid is an android designed in the form of a woman. The word is a coined term combining “gyno,” derived from the Greek word meaning “woman,” and “android,” meaning a humanoid form. The gynoids in Innocence were also developed with highly detailed settings during production, and the reference materials created for them look like the examples shown below. Some of the illustrations—particularly those in which the facial covering has been removed—are genuinely unsettling.

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According to Haraway, a forensic officer with the prefectural police, the Hadaly units are designed so that an information-leak prevention program automatically activates when they are damaged or rendered inoperable. It is also revealed that the Hadaly units involved in these incidents had been modified with a special “sexaroid” function, added according to the preferences of their owners. These facts explain why the victims’ families did not file lawsuits against Locus Solus, and why compensation and legal settlements were concluded quickly and without dispute: the families did not want it to become public knowledge that the victims had owned such gynoids. Haraway goes on to discuss with Togusa a series of philosophical questions—what exactly dolls (robots or androids) are, where the boundary between humans and dolls lies, and whether robots might someday develop emotions.
It is unclear how extensively Haraway himself has been cyberized—there is a scene in which his eyes open to connect what appears to be equipment used for forensic analysis, suggesting a significant degree of prosthetic enhancement—but he smokes hand-rolled cigarettes. It is not clear how smoking affects a cyberized body, but the deliberate choice to smoke cigarettes feels like an act of reaffirming his own humanity. Likewise, the cars driven by Batou and the others have a classical design and appear to be manually operated rather than autonomous. This, too, feels similar to the act of smoking—a desire to confirm one’s own humanity.
Before Batou and Togusa arrive to meet Haraway, they discuss something Motoko Kusanagi had once said: that the only things truly belonging to her are her brain and her ghost, while her body and even her memories (data) are government property, leading her to question what her true self really is—or whether such a self even exists. I felt that this dialogue expresses the anxieties of people living in a cyberized society where the boundary between humans and machines has become extremely blurred.
As the possibility of terrorism is deemed extremely low, the case is reassigned to Batou and Togusa as a dedicated investigation. While they are pursuing leads, the head of shipping inspection at Locus Solus is brutally murdered. It soon becomes clear that the prime suspects are members of the Yakuza organization Kōjinkai, whose boss had previously been killed by a rampaging Hadaly unit. After completing the on-site investigation, Batou and Togusa raid the Kōjinkai office.
Batou and Togusa surmise that the inspection chief had likely been handed over to the Kōjinkai by Locus Solus as a target for retaliation. There is a line stating that for a Yakuza group whose boss has been killed, carrying out revenge is essential in order to consolidate the organization under a new leadership. The emphasis on this old-fashioned code of honor feels, to me, like another way the film portrays the importance of remembering one’s humanity in a cyberized society. (That said, I am aware that I may be pushing my own interpretation too far—seeing INNOCENCE as a work that continually asks what it means to be human through contrasts between humans and machines.) Although Batou and Togusa fail to obtain any decisive information from the raid, a remark by one of the gang members—claiming ignorance about what the former boss and Locus Solus had been involved in—nevertheless suggests that some kind of relationship existed between the Kōjinkai and Locus Solus.
Batou reasons that if Locus Solus were hiding something, they would likely attempt to obstruct the investigation. This intuition proves correct. On his way home after the raid, Batou stops at a grocery store and is ghost-hacked**, causing him to go on a shooting rampage. Just as he is about to fire at the shop owner, Ishikawa intervenes by accessing Batou’s cyberbrain, which has entered a runaway state, and manages to stop him. Acting on orders from “the old man” (Aramaki, the head of Section 9), Ishikawa had been monitoring Batou by using Togusa as a “screen”***. Before the ghost-hacking occurs, someone Batou passes inside the store mutters, “You’ve stepped into the kill zone.” As for who this voice belongs to—well, it is probably not hard to guess, and it will be revealed later.

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** Because a cyberbrain connects the human brain directly to the network, if it is subjected to unauthorized access and its defenses are breached, one’s ghost can be taken over—this is known as a ghost hack. Furthermore, if the intruder possesses the target’s ghost access key, it is possible to take control of that person without hacking at all. In this respect, the mechanism is essentially the same as modern computer security. Defining what exactly a “ghost” is can be difficult, but in this context it seems closest to meaning “the person themselves.” If we accept “ghost = the person as such,” then in a cyberized society humans may be positioned almost like accounts of some sort. Here again, the film appears to be depicting the ambiguity of the boundary between humans and machines in a cyberized world.
*** There is no explicit explanation of what it means to use someone as a “screen,” but it seems likely that Ishikawa hacked Togusa’s visual feed and monitored Batou by seeing exactly what Togusa was seeing through his eyes.
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In order to get closer to the core of the case, Batou and Togusa head for the Etorofu Special Economic Zone, where Locus Solus is located. They travel there by a propeller-driven aircraft, and the view from above presents a decadent near-future landscape. This scenery, along with the dusty, polluted atmosphere, closely resembles what is depicted in Blade Runner 2049. Since Blade Runner 2049 was released in 2017, it is unclear whether Innocence had any direct influence on it, but it does not seem impossible. As in many other near-future settings, the architecture remains strongly Chinese in flavor—Chinese poetry is even written on buildings—which may simply reflect a long-standing cyberpunk tradition. Snatches of what sounds like Chinese (or perhaps Chinese-like, rather than actual Chinese) can also be heard throughout. Is it overthinking things to wonder whether the film is suggesting a future in which Chinese culture comes to dominate the world?
As their first step, the two visit the mansion of Kim, a suspect in the ghost-hacking of Batou. Kim’s residence is Western in style, yet inside the building there are inscriptions resembling Chinese poetry. From Kim, Batou and Togusa extract information about Locus Solus. The corporation expanded its business through the production of high-end gynoids and was rumored to have close ties with politicians, senior bureaucrats, and criminal organizations. To avoid scrutiny by the authorities, its manufacturing lines were reportedly relocated to offshore plant ships, where it attempted to create artificial humans by “breathing souls” into dolls.
The two are soon lured into a maze of cyberbrain-generated pseudo-reality. However, Batou notices a clue—words written near the feet of a doll that he had seen when they first entered the mansion—and manages to break free of the loop, rescuing Togusa as well. Who provided this hint remains unclear at this point, though it is not difficult to guess; this, too, is revealed later. Incidentally, when I first watched this sequence, I found the looping pseudo-reality confusing and kept wondering what exactly was happening. I felt as though I myself had been drawn into the labyrinth along with Batou and Togusa.
Convinced that Locus Solus had hired Kim to obstruct the investigation, just as he had anticipated, Batou secures Kim and proceeds, together with Togusa, to board Locus Solus’s gynoid manufacturing plant ship. Using Kim’s brain case, Togusa supports Batou by sharing his visual feed—presumably via the same “screen” technique mentioned earlier. However, the ship’s security system activates, Kim’s brain is burned out, and he dies. Batou avoids the same fate by forcibly pulling out the cable he had connected directly to his own cyberbrain.
Kim had planted a virus within the plant ship that was triggered by his death. As a result, all of the Hadaly units awaiting shipment begin to run amok, slaughtering the Locus Solus security personnel aboard the vessel. Batou himself becomes a target, and as he makes his way toward the ship’s core, he is forced to fight the rampaging Hadalys.
At that moment, a single Hadaly descends from the sky to support Batou. This unit turns out to be one into which Motoko Kusanagi had downloaded a part of herself from a satellite. It was Motoko who had warned Batou at the grocery store, and it was also she who provided the hint that allowed him to escape Kim’s loop.
In the present day, hacking typically allows intrusion only into computers, but in the cyberized society depicted in Innocence, where brains are directly connected to the network, the idea that hacking could allow one to manipulate a person—their ghost—feels easy enough to imagine. In Ghost in the Shell, the Puppet Master employed precisely this method to control ghosts. This can be seen as a warning about the dangers of direct neural connection to the network. At the same time, one might also argue that since the network already exists just beyond our physical boundaries—at our fingertips, for example—even without full cyberization we are living in an environment that is not so different, with both its advantages and its risks.
The rampaging Hadalys, their whispered pleas for help, and their apparent acquisition of emotion all seem to gesture toward the idea of a singularity. Compared to Ghost in the Shell, however, the treatment of this theme feels less pronounced. Perhaps this is because the earlier film already explored the concept so thoroughly, and Innocence assumes its existence as a given. When I first watched Innocence, I did not think about these issues very much and was instead overwhelmed by the sheer visual power of its world. This time around, however, I found myself reflecting on many different aspects.
With the plant ship subdued through Motoko Kusanagi’s intervention, Batou resumes the investigation. In the ship’s core, rows of ghost-dubbing devices designed to copy ghosts into gynoids are revealed. The truth behind the Hadalys is that they were created by dubbing the ghosts of young girls smuggled in by the Kōjinkai. Because the Hadalys were dolls endowed with ghosts—living dolls possessing ghosts extremely close to those of humans—they gained their reputation.
The series of brutal murder incidents ultimately stemmed from the inspection chief, who, unable to bear the weight of his conscience, deliberately tampered with the Hadaly program. He did so in the hope that a police investigation would uncover the truth about the Hadalys.
As Batou escapes, Motoko Kusanagi leaves him with the words, “Whenever you access the network, I will always be by your side,” and then withdraws from the Hadaly—presumably deleting the data related to herself. In a cyberized society, given sufficient technology, it does indeed seem possible for someone to remain constantly at another’s side even without a visible form—or, depending on the circumstances, to take control or deliberately guide another’s actions.
After the case is resolved, Batou goes to retrieve his dog, Gabriel, whom he had left in Togusa’s care. In the final scene, Togusa’s daughter, cradled in his arms, gazes at the doll she has been given as a present, while Gabriel, held by Batou, looks back at her. The two quietly meet each other’s eyes. Is this meant to suggest that a soul is beginning to dwell within the doll?

I am not particularly knowledgeable about anime as a medium, but I do feel that this work achieves an exceptionally high level of quality. The story is well constructed, with many moments that invite reflection, and the visuals are undeniably beautiful.
Next, I would like to read the original manga by Masamune Shirow, which served as the source material for these films.

久しぶりにイノセンス INNOCENCE を観る

以前の攻殻機動隊に関する投稿に続いて,今回はイノセンス INNOCENCE(2004)を観なおしてみた感想を投稿します.

イノセンス INNOCENCEは,押井守監督によるGHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1996)の続編で,2004年に公開されました.イノセンス INNOCENCEは,前作の GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1996) のラストで,草薙素子が失踪し,それから3年後の2032年の話になります.

巨大企業ロクス・ソルス社が販売する少女型の愛玩用ガイノイド*Type2052 ハダリ(HADALY)が,原因不明の暴走を起こし,所有者を惨殺するという事件が相次いで発生します.ちなみに草薙素子らの義体は,政府御用達メーカーの「メガテク・ボディ社」製なので,義体を製造する会社は複数社存在するようです.被害者の遺族とメーカーの間での示談は何故か速やかに成立します.また被害者の中には,政治家や公安関係の退職者がいたことから,ロボットを利用したテロの可能性を考慮して公安9課が捜査を担当することになり,バトーとトグサは捜査を開始します.
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*ガイノイド Gynoid は女性の姿を模して作られたアンドロイド.ギリシャ語で「女性」を意味する"Gyno"と,人型を意味する"Android"を組み合わせた造語.ガイノイドに関しても,制作時には細かい設定がされていたようで,それらの資料は,以下のようなものになります.顔のカバーが外されている絵などは,結構怖いです....

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県警鑑識官のハラウェイによると,ハダリが破壊・機能停止状態になると機密漏洩防止プログラムが動作する仕様となっているとのことでした.また,今回の暴走を起こしたハダリは所有者嗜好によりセクサロイド機能という特殊仕様が施されていたことが明らかになります.これらのことが,遺族は被害者がハダリを所持していたことを知られたくないために,ロクス・ソルス社を告訴せず,賠償問題や裁判などの示談が揉めることなくスピーディに成立していた理由であることがわかります.ハラウェイはトグサに人形(ロボット,アンドロイド)とは何なのか?人間と人形の境界は何なのか?,ロボットに感情が生まれる可能性についてなどの,哲学的な問いについて話します.ハラウェイがどこまで義体化しているのかは不明(目の部分が開いて鑑識作業用と思われる機器を接続するシーンがあるので,それなりに義体化していると思われる)ですが,紙巻き煙草を吸っています.義体化した体に煙草がどのように作用するのかはわかりませんが,敢えて紙巻き煙草を吸うのは,自身が人間であることを確認するための行為のように感じました.バトー達の運転する車に限らず,搭乗する車はクラシカルな形状で,自動運転ではなくハンドル操作によって操縦しているようです.これも煙草と同様に,自身が人間であることを確認したいがためなように感じました.
バトーとトグサがハラウェイの所に着く前に草薙素子が自分自身の持ち物は脳とそのゴーストだけで,義体も記憶(データ)も政府の備品なので,本当の自分とは一体何なのか...自分という存在はあるのか...というようなことを言っていたという会話をしていますが,これらは機械と人間の境界が非常に曖昧となっている電脳社会に暮らす人間の悩みを描いているのだと感じました.

テロの可能性が極めて低くなったということで,事件はバトーとトグサの専従捜査に切り替わります.そしてバトーとトグサが捜査を進めている時に,ロクス・ソルス社の出荷検査部長が惨殺されます.暴走したハダリに組長を殺された暴力団紅塵会の犯行である可能性が高いことがわかり,殺害現場の現場検証を終えた後に,バトーとトグサは,紅塵会の事務所に踏み込みます.

バトーとトグサは,検査部長はロクス・ソルス社から報復相手として紅塵会に売られたのだろうと想定していました.ここで,組長を殺された暴力団が,新たな体制で組織を纏めるには,報復をすることが必須なのだというセリフがありますが,このように昔ながらの任侠道的なことが重要視されているというのも,電脳社会において人間が人間であることを忘れないための事柄として描かれているように感じます(自分の中で,イノセンス INNOCENCEのテーマが人間と機械の対比を通して,人間とは一体何なのかを問うということなのではないかと思い,何でもそっちの方に持っていきすぎているような気もしていますが...).紅塵会の事務所に踏み込んだものの,重要な情報は得られませんでしたが,殺された先代の組長とロクス・ソルス社が何をしていたのかなんて知らないと言った組員の言葉から,紅塵会とロクス・ソルス社に何らかの関係があったことが示唆されます.

バトーは,もしもロクス・ソルス社が何かうしろめたいものを抱えているのであれば,捜査の妨害を仕掛けてくるはずだと考えていました.その予感は的中し,暴力団事務所に踏み込んだ後の帰宅途中に,バトーは立ち寄った食料品店でゴーストハック**され銃乱射事件を起こしてしまいます.店主を弾を打ち込もうとしたところを,イシカワが暴走状態の電脳にアクセスしてバトーを止めます.イシカワは親父(荒巻公安9課部長)の指示で.トグサをスクリーン***にしてバトーを監視していたのでした.ゴーストハックされる前に,店内ですれ違った人が「キルゾーンに踏み込んでいる」と呟きます.この声の主は...まぁ大体想像はつくと思いますが,これは後ほど明らかになります.
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** 電脳は,脳を直接ネットワークに接続するので,不正アクセスを受けて防壁を突破されると,自分のゴーストを乗っ取られてしまうことになり,これをゴーストハックといいます.また,対象のゴースト侵入錠があれば、ハッキングせずともその人を乗っ取ることができます.この辺の仕組みは,現在のコンピュータセキュリティと同じです.ゴーストに関しては定義が難しいのですが,ここでのゴーストは「その人自身」という感じでしょうか.「ゴースト=その人そのもの」となると,電脳社会では,人間自体が何かのアカウントのような位置付けになっているという感じなのかもしれません.ここでも,電脳社会における人間と機械の境界の曖昧さについての描写をしているような気がします.

***スクリーンにするということに関しての具体的な説明はありませんが,石川がトグサの視界をハッキングして,トグサの目に映るものを見ながら監視していたということだと思われます.
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事件の核心へと迫るべく、バトーとトグサはロクス・ソルス社がある択捉経済特区へ向かいます.この時に二人はプロペラ型の飛行船で移動しますが,飛行船からの風景は退廃的な近未来の様子です.この風景や埃っぽい空気感はブレードランナー2049で描かれる様子と似ています.ブレードランナー2049の公開は2017年なので,その描写にイノセンス INNOCENCE(2004)が影響を与えたのかどうか...はわかりませんが,あり得るのではないかと思います.また,相変わらず近未来の建物などは中国的(漢詩なども書かれているので中国か...)なのですが,これはサイバーパンクの伝統でしょうか.また所々での中国語のような言語(多分,中国語風なだけで,中国語ではないと思われます)が流れたりします.この後の近未来において,中国文化が世界を支配するようになっていると予想しているのでは...と思うのは考えすぎでしょうか.

手始めに二人は,バトーへのゴーストハックの容疑者であるキムの屋敷を訪れます.キムの屋敷は西洋風ですが,建物の中には漢詩のようなものが書かれていたりします.バトーとトグサはキムからロクス・ソルス社に関する情報を聞き出します.ロクス・ソルス社は高級ガイノイドの制作で事業を拡大し,政治家.高級官僚,犯罪組織とも癒着が囁かれていたとのことです.また,当局の立ち入りを警戒して,製造ラインは沖合のプラント船に置き,人形に魂を吹き込んで人間を模造しようとしていたようです.

2人は電脳の疑似現実の迷路に誘い込まれてしまいますが,屋敷に入った時に見えた人形の足元に書かれていた文字に気づいたバトーが迷路から脱出し,トグサを救います.このヒントを与えたのは何者なのか...これまた,大体想像はつきますが,これも後ほど明らかになります.ちなみに,最初は,この擬似現実のループが良くわからず,これは一体何なのだろうかと思って見続けていました.私もバトーやトグサと同じように迷路に迷い込まさせられたような気分になりました.

バトーの読み通りロクス・ソルス社がキムを雇い,捜査の妨害を試みたとのだと確信したバトーはキムを確保し,バトーはトグサを連れてロクス・ソルス社のガイノイド製造プラント船へと乗り込みます.トグサはキムの脳殻を用いながら,バトーの視覚にのって(先ほどのスクリーン技術でしょうか)バトーをサポートしますが,プラント船の警備システムが作動し,キムは脳を焼かれて死亡します.バトーは自分で電脳に接続したケーブルを引き抜いたことで脳を焼かれるのを防ぎました.

キムは自らの死に連動したウイルスを製造プラント船内に仕込んでいて,それによって製造待機中だった全てハダリが暴走を開始し,船内のロクス・ソルス社の警備兵たちを惨殺し始めます.バトーもハダリの惨殺対象で,プラント船中枢を目指すバトーもハダリと戦います.

そこに空から1体のハダリが降りてきて,バトーを援護します.そのハダリは草薙素子が自身の一部を衛星からダウンロードさせたものでした.食料品店でバトーに警告を発したのも,キムのループを解くヒントを与えたのも草薙素子だったのです.

現代では,ハッキングによって侵入できるのは,コンピュータの中までですが,イノセンス INNOCENCEの舞台である,脳をネットに直接接続する電脳社会において,ハッキングによってその人(ゴースト)を操ったりすることができるようになるというのは,何となく想像しやすいイメージです.前作のGHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1996)においても「人形使い」はその手法によってゴーストを操っていました.電脳化して脳をネットに直接接続することの危険性を示唆しているとも考えられますが,一方で,ネットは(指先などの)人間の物理的境界のすぐ先に存在しているので,電脳化していなくても,ほぼそれと同じような環境下にある(メリットもデメリットもある)のではないかと思ったりもしました.

ハダリが暴走したり,助けてと呟いたり(感情を持ち始める)などと,シンギュラリティについても示されているとは思うのですが,前作のGHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1996)と比べると,取り扱いの度合いはそんなに強くないようにも感じます.GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1996)で十分にその点について示した後の作品なので,シンギュラリティというテーマが存在するという前提で観ているからなのかもしれません.以前に観たときにはこのようなことはあまり考えずにイノセンス INNOCENCEの映像の世界観に没頭して,うわぁ〜と圧倒されていた感じでしたが,今回は色々と考えてしまいました.

草薙素子のハッキングによってプラント船内は制圧され,バトーは捜査を再開します.プラント船の中枢部にはゴーストをガイノイドに複製するゴーストダビング装置が並んでいました.ハダリの正体は,紅塵会が密輸入した少女たちのゴーストをダビングすることによって作られたロボットで,ハタリはゴーストを持つような人形(生きた人形〜人間に限りなく近いゴーストを持つ人形)だったために,評判となったのでした.

相次いで発生した惨殺事件は,良心の呵責に耐え兼ねた検査部長が警察の捜査によってハダリの正体が暴かれるであろう事を期待して,ハダリのプログラムに意図的に細工を施すことで起きたものでした.

草薙素子は脱出するバトーに「あなたがネットにアクセスするとき、私は必ずあなたのそばにいる」と言い残して,ハダリから抜け出ました(草薙素子に関するデータを消去たということなのでしょうか...).確かに電脳社会では,技術さえあれば,草薙素子が言うように形は見えなくても常に誰かのそばにいるようなことができる(場合によっては,乗っ取ることや,意図的に行動を導くことなどもできる)のだと思われます.

事件解決後に,バトーはトグサの家に預けていた犬のガブリエルを迎えに行って,その際にトグサに抱かれた娘とその腕に抱かれた娘へのプレゼントの人形、バトーに抱かれたガブリエルはお互いを見つめ合ったのだった.これは,人形に魂が宿り始めていることを示唆する表現でしょうか...

私は,アニメ作品に詳しいわけではないのですが,完成度は相当高いのではないかと思います.ストーリーもしっかりしていて,考えさせられるような所も多々あり,映像も美しいです.

次は,士郎正宗氏によるオリジナル(原作)の漫画を読んでみたいと思います.