手塚治虫 ジャングル大帝を読む(その2 手塚治虫漫画全集 第二巻)

手塚治虫漫画全集のジャングル大帝 第二巻を読んだ際のメモです.以下,グレーになっている箇所は,感想などです.

第二巻のあらすじは,ざっくりと以下のとおりです.

レオはナイル河を遡ってきたライヤと出逢います.ライヤは河下でリョーナという白いライオンで,そこに住む人々の守り神(リョーナで120代目 !?)として祀られているライオンに仕えていました.そして,リョーナは河上のパンジャに自分は元気だと伝えるようにライヤに命じたのだと言います.ライヤはその任を果たすために河を遡っていたところ,人間に捕まってしまい,そこをレオに助けられたのでした.リョーナの祖先はアンドロクレスと言い,贅沢に耽るエジプト文明の人達に質素と身体を鍛えることを教える獅子神だったそうです.その獅子神はピグミーの人達へ譲り受けられ,ナイル河を遡り,ピグミーの人達に祀られたおのことです.そして,ジャングルの奥深くでは今でも白い獅子の子孫が村を守っているということです.
教授と博士はハム・エッグに探検資金を奪われて,国に帰っていました.一行と逸れたケン一はジャングルに置き去りとなったものの,レオ達と暮らしているのですが,元気であることをヒゲオヤジに伝える術がありません.そんな様子を見ていたレオはコミュニケーションのために,言葉の勉強をはじめ,ジャングルの仲間達にも言葉を教え始めます.そんな時,河上からジャングラ族がやってきて,ケン一達が暮らしている場所は自分達の領地だから出て行けと迫ります.そしてジャングラ族の女王コンガは連れ去られたメリーで,ケン一が話しかけてもコンガは知らないふりをします.ジャングラ族はケン一がタタリがあると脅したことで退散しますジャングラ族は,タタリがあると言われるとヒエェ〜という感じ恐るのですが,実際のところ,アフリカでもタタリという概念があるのかどうかはわかりません.そのあと,レオがカタコトの言葉を話すようになり,レオとケン一の間にはかたい絆が生まれます.
女王コンガは,ケン一が暮らしている場所から彼らを追い出すために,レオを誘き出すことを計画し,飼っていたライオンにレオを誘い出すことを命じます.レオはコンガ達に捕まってしまいます.捕まえられている檻の中でレオは夢を見ます.その夢の中で,パンジャが人間に飼われた家畜がどんなにズルく卑怯になるかがわかっただろうと語り,だからこそパンジャは人間と一緒に家畜をも憎んでいたのだと言います.夢から目覚めたレオは,ズボンを脱ぎ,檻を破って暴れ回った後に逃げ出します.
逃げ出したレオは,自身のことをオフクロサンと呼べというゾウ(どう見てもマンモスですが…)と知り合い,レオが暮らす場所のゾウグサが生えている場所へ案内し,仲良くなります.そしてレオの領地に帰ってきたところ,ブブが仲間の動物を脅し,ライヤを連れ去り河下へ下っていったことを聞いて慌てて追いかけ,ブブと決闘になります.レオはブブの眼を潰し,ブブは逃げ出しますが,レオも瀕死の状態となります.そこにアフリカに君臨しているどんな動物でも白骨になるまでしゃぶり尽くす進軍アリがやってきたため,ライヤはレオを引きずって逃げることを諦めて,レオを地中に埋めます.地中で目を覚まし,事情を知らないレオは失意のうちに,ジャングルを彷徨います.
一方で,アフリカの北端のアルジェの町のスラム街カスバで甥っ子のケン一を探していたヒゲオヤジはアセチレン・ランプを見つけ出し,ドンガ河の上流でケン一と別れたことを聞き出し,ケンイ一を探しに向かいます.ここでいう「アルジェの町カスバ〜 Kasbah of Algiers〜は,アルジェリアの首都アルジェの旧市街を構成する一画の呼称です.ユネスコの世界遺産にも登録されています.アルジェリアにはカスバと呼ばれる市街は他にも存在しますが,単にカスバといった場合には一般にこのアルジェのカスバのことをを指します.カスバはアラビア語で「城塞」という意味があるそうです.
ジャングルを彷徨い続けるレオは,身体の小さいピグミー部族の村を見つけます.その部族の人達は,白い獅子であるレオを見つけると,神の遣いだということで,神殿に住んでいるリョーナのところへ連れて行きます.リョーナはパンジャの姪に当たり,レオに神座につくように勧めます.また,パンジャは20年前にそこから逃げ出したことや,リョーナはパンジャを探すための使者を送ったことも明らかになります.
ピグミー部族はレオを祀り立てるための儀式を始めようとします.そこに,捕まえられたヒゲオヤジが連れてこられて(漫画ならではのタイミングです...),ヒゲオヤジに気づいたレオは,ヒゲオヤジに先祖のライオンの毛皮を被せて逃します.なんとか逃げ出したところで続いて女王コンガの部族に捕まり,自分に従わないケン一を従わせるための人質にします.また,コンガ(メリー)は記憶を喪失していたわけではなく,自身が女王となったことで,メリーであった過去を捨てていたのでした.
レオはライヤと再開し,ジャングルの仲間達を守るのはレオしかいないと説得され、神座をリョーナに返してジャングルに帰ることを決意します.

逃げ出したヒゲオヤジはケン一と再開し,お互い喜び合います.しかし,それも束の間,二人はまたもや女王コンガの部族に捕まってしまいます.コンガは,ケン一達と河下で暮らしているレオ達の仲間を襲います.レオ達はギリギリまで追い詰められますが,そこにオフクロサンが登場し,危機一髪の状態からレオ達を救います.そして,アフリカに雪が降り,寒さに震えるピグミーの部族をケン一とヒゲオヤジが救ったことで,ピグミー部族の心は女王コンガから離れてしまいます.コンガはムチなどを使って,恐怖政治で原住民を従えていたのに対し,ケン一とヒゲオヤジは,原住民達を助けることで彼らの心を掴んだという展開です(この辺の展開はストーリー的にはわかるものの,急激すぎるような気がしなくもありません...).レオ達の仲間に平穏が訪れ,レオとライヤは結ばれます.

レオとライヤの間には,双子のルネとルッキオが産まれます.ルネは雄で,ルッキオは雌です.この頃にはジャングルの中に人間語(何語なのかはわかりません)学校ができていて,ジャングルの動物達は人間語を学んでいます.ルネは人間の世界に興味を持ち,人間の世界へと旅立つべく川を降っていきます.ルネは産まれてからまだあまり時間が経っていないはず(もしかするとそれなりに時間が経っているのかも知れませんが...)なのですが,ものすごい独立心と好奇心です.この時,レオは学校であんまり人間の教育をしすぎたためだとパニックを起こしていますが,確かにその影響が強かったのかも知れません.

ヒゲオヤジ,ケン一,メリーはアフリカを離れ,日本に帰ります.ケン一は渡り鳥に,レオ宛の手紙をことづけたりしています.メリーが女王コンガとして率いていたピグミー部族の人達は,部族の中から新たなリーダーを選べたのでしょうか....その辺の記述はありません.その船の上で,再び月光石が登場します.ダンディ・アダムという男が暗躍し,ヒゲオヤジは殺人の罪を着せられて,船を降ろされてしまいます.悪巧みがバレてダンディ・アダムとその手下は船に乗っていたボーイを攫って逃げ出します.ダンディ・アダムは二重スパイで色々な国を騙して稼いでいる一味のようです.ダンディ・アダム一行は陸地に漂着し,連れ去られてきたボーイの子が水を汲みに河へやってきた時に声がして,丸太に乗ったルネが流れてきます.ルネはボーイに話しかけます.ルネは最初にハローと言っているので,レオ達の言う人間後は英語なのでしょうか.ルネはカモメにボーイの帽子を船に運ばせて,船が助けに来てくれるように仕向けます.ルカモメが加えてきた帽子をみて,船でカモメのあとをついて行ってみるというのは,漫画ならではですが,まぁ,こうでもしないと話が繋がらないので仕方がないと言う感じです.無事一行は船に救助されますが,その救助された船の上で,表向きは興行師であるダンディ・アダムはルネを自分の所有物とするという契約書にサイン(手形!?)をさせます.ルネは鎖で繋がれ,船はニューヨークへ向かいます.

なんと,Kindle版は297円です!! 

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手塚治虫 ジャングル大帝を読む(その1 手塚治虫漫画全集 第一巻)

手塚治虫漫画全集のジャングル大帝 第一巻を読んだ際のメモです.以下,グレーになっている箇所は,感想などです.

ジャングル大帝は,手塚治虫によって,1950年11月号から1954年4月号にかけて全43回の連載で,鉄腕アトムの連載が始まる前の作品です.手塚治虫がジャングル大帝を描きはじめた1950年当時は,大阪大学医学部の学生だったことに驚きます.連載中の1951年には卒業試験を経て,1952年に国家試験に合格して医師となっています.おそらく,この頃から睡眠時間などを削りながら,勉強して漫画を描いてという生活をしていたのではないかと想像します.また,19〜23歳の頃におそらくほぼ一人でこの大作を仕上げてしまったというのも,もの凄いことだと思います.冒頭で,手塚治虫はジャングル大帝を「大自然と生きものとの,絶えることのない闘争と征服と挫折の歴史」がテーマだと述べています.また「この谷で、アフリカが東と西に分かれております.こういうアフリカをふたつに割ったエネルギーはいったいなんだろうというのが ジャングル大帝 のテーマであります。」とも言っています,これは,大陸移動説から得られた得られたテーマであると思われます.また,アニメ版の楽曲を担当した冨田勲は ジャングル大帝 には,連載2年前の1948年から始まった南アフリカのアパルトヘイト問題の影響があり,レオの存在は,ネルソン・マンデラからインスピレーションを得ているのではないかという私見を述べているそうです.これらのことも,手塚治虫漫画の特徴で,この後の色々な作品においても描かれた当時の社会情勢からヒントを得ていたり,とりあげているということが多々あると思います.

第一巻のあらすじは,ざっくりと以下のとおりです.

ジャングルの王である白いライオン パンジャは,アフリカでパンジャと戦い続けている村の酋長からパンジャ狩りを依頼されたハム・エッグとクッターによって捕らえられてしまった雌のライオン エライザ(漫画ではエライザも白いが,アニメ等では白ではなく,黄色〜褐色)を助けようとして銃弾に倒れてしまい,皮を剥がれて毛皮となってしまいます.捕らえたエライザをザンジバル港からロンドン動物園へと送るために船で輸送する途中に,エライザはパンジャの血をひく白い雄ライオン レオを出産します.

レオを動物園などに入れられる訳にはいかないと,パンジャのような勇ましいジャングルの王になれと,エライザはレオを脱出させ「ジャングルへ戻りなさい」と命じます.レオが産まれてからこの時まで,どれだけの時間が経っているのかはわかりませんが,漫画だと2~3ページなので,エライザは,結構厳しい母のように感じますが,この時のエライザの決断があったからこそ,レオはその後生きることができることになります.

レオ船から飛び降りた後に海を泳ぎますが,筏に乗って漂流しているクッターに引き揚げられます.クッターは,嵐に遭って船は沈み,エライザは船と一緒に沈んでしまったことをレオに告げます.クッターは名前の通り食いしん坊で,このままだとレオを手にかけて食べてしまうと思い,レオに小さな筏を作ってやり,海の上で別れます.レオは航行中の船に急叙されますが,その船に乗っていたネズミ達がレオが王子だということで,船内の色々なところから食べ物を盗んできてしまったことで再び海に放り出されます(ただし,筏つきです).その時にパリのマルセイユで生まれたというジャックというネズミが付いてきます.道中で襲ってきた鮫と戦ったことで筏が壊れてしまい,その後レオとジャックはアフリカへ向けて泳ぎ出します.やっとの事で漂着し,そこでレオはケンイチと出会い,一緒に暮らし始めます.ケンイチのおじさんがヒゲオヤジです.この漂着先ですが,タイトルが「アデンにて」ということなので,レオ達が漂着したのは,アフリカではなくアラビア半島南端のアデン湾に面する,イエメン共和国第2の港湾都市アデンのようです.ケンイチとの暮らしの中で,レオはズボンを履き,食卓に座って食事をとるようになり,人間の文明を学びます.また,ケンイチの同級生(ではないかもしれませんが...歳の近い)メリーは,ハム・エッグの娘です.なお,ハム・エッグがパンジャを狩った際に報酬として酋長から受け取った石は,ダイヤではなく幻の山・ムーン山にしか出土しない月光石(ムーンライトストーン)でした.この月光石は,地球の大陸移動を引き起こした力を秘めているのではないかという設定です.そして,月光石を探す学術探検隊として,地質学者のプラス教授(アムポロチャ大学)とマイナス博士(エンテコルス博物館),ハム・エッグ,ケンイチ,メリー,レオがアフリカに向かいます.探検隊がアフリカに到着して,川を上っている時に,レオは初めてジャングルを見て思っていた様子と違う(レオはジャングルが,キレイで家が沢山あり賑やかな都市の様なところだと思っていたらしい...)と泣いてしまいます.パンジャはジャングルの野生動物には寛大で優しかったようですが,人に飼われた家畜を襲って噛み殺したりしていました.もし,このようなレオを見たらどのような反応をしたのでしょうか.

ここまでで,何人かの登場人物が現れましたが,手塚治虫の漫画の特徴の一つとして,同じキャラクターが色々な作品に登場することが挙げられます.ヒゲオヤジ,ケンイチ,ハム・エッグ,プラス教授,マイナス教授,この後登場するランプなどです.この方式は,映画をイメージしているのではないかと思っています.これらの登場人物を役者として,手塚治虫を映画監督と思えば,ある映画監督にはお気に入りの役者がいて,その監督の作品には,その役者達がよく登場するというのと同じ様に感じます.なので,手塚治虫の中では,作品によく登場するキャラクター達は,どんな役でもこなしてくれるお気に入りの名優だったのかもしれません.

Wikipediaによると,主人(!?)公のレオやパンジャが,白いライオンというアイディアは,手塚治虫が動物絵本の描画を依頼された際に,ライオンの絵を白熱灯の下で彩色したところ、黄色を塗るつもりが電灯の黄色い光のために白と黄の絵の具を間違えて塗ってしまい,出来上がりが白いライオンになって没になったという失敗談が発端とのことです.また,Wikipediaによるとパンジャの命名は「ジャパン」を前後入れ替えたアナグラム的な命名だという説があるそうです.レオの子ども(パンジャの孫)であるルネとルッキオは,(原作漫画中〜第二巻〜で名付け親のココがトミーにこっそり説明しているように)前後入れ替えると「寝る」と「起きる」になります.他にもハム・エッグ(所謂,ハム&エッグ)、クッター(食べ物を食った)、ランプ(後頭部に蝋燭が点くから)など手塚治虫漫画に登場する人達の名前は独特というか,結構適当なように感じます.

ジャングルの様子に最初はショックを受けていたレオですが,徐々に自身の中に眠る野生を取り戻していきます.そして,以前にハム・エッグにパンジャ狩りを依頼した酋長のいる村に立ち寄り,そこで,パンジャの毛皮を見つけ,その匂いから自身の父親であることを確信し,毛皮を取り返します(盗み出したとも言う).その頃,アセチレン・ランプは,ハム・エッグに探検隊の金(5万ドル)を引き出させてよこすように脅します.ここで,ハム・エッグは,第二次世界大戦の際にナチスの捕虜収容所にいたドイツの看守兵,かつ戦犯であることがわかります.そして,アセチレン・ランプは収容所で虐待されていたユダヤ人だったようです.ここで,アセチレン・ランプは,自分が訴え出ればハム・エッグは戦争犯罪人として捕らえられるのだと脅したのでした.一方で,毛皮がなくなったことに気づいた酋長と村民達は,毛皮を返せと怒り始めます.ちょうどその時,プラス教授とマイナス博士に5万ドルの小切手を書けと脅していたハム・エッグが発砲し,その発砲を聞いた酋長と村民は,興奮して槍などを投げ始め,探検隊を襲い始めます.探検隊はちりじりばらばらになり,ケン一が黒豹に襲われているところに,パンジャの毛皮を被ったレオが現れます.それを見た黒豹は慌てて逃げ出し,パンジャが戻ってきたとボスのライオン(昔,パンジャと張り合っていたブブ)の元へと報告に行きます.その後,ケン一とメリーとパンジャの毛皮を被ったレオは砂漠,谷,超えて歩き続け,鍾乳洞で暮らし始めます.どこからかレオを呼ぶような声がして,辺りを彷徨っていると,そこにブブと黒豹がやってきて,レオを揶揄うようにして,ジャングルの掟を示します.人間界で生きてきたレオは,動物を殺して食べることなどを怖がり,野蛮だと感じてしまいます.ブブ達はレオを嘲笑っているように描かれていますが,レオにジャングルで生きるということを教える教師役でもあったといえると思います.また,ジャングルの動物達はパンジャの毛皮を被って,パンジャがレオに語りかけるフリをしたりして,レオにジャングルを治めてもらえるよう芝居を打ったりもします.ジャングルはパンジャのようなリーダーを求めていたのでした(パンジャは大帝と呼ばれていたようです).

パンジャ大帝の王子としてジャングルの仲間達に迎えられたレオは,ジャングルの改革を始めます.その改革は,道や畑を作ったりと,人間界で得た知識を元にしています.きこれまた,パンジャが見たらどう思うのか…とも思いますが,人間界(特にビジネスの世界)ではこのようなことはよく起こっていて,2代目社長が創業者の手法とは全然違う方法で社内改革を始め,最初は周辺に反対や戸惑いがあるものの,徐々に受け入れられて,成果が出はじめるといったところでしょうか.また,最初は思っていたのと違う...と戸惑っていたものの,色々な助けもあり,そこに順応,適応して,リーダーとなっていくということも,それなりによくありそうな話です.
また,川上に住んでいるジャングラ族が森を焼きに来た際にも,動物達を組織的に動かし,バクダンウリの投瓜機(!?)などを作って戦います.このときにメリーはジャングラ族に連れ去られてしまいますメリーが白人だからという理由で連れ去れれるというのも,ジャングル大帝が描かれた時代感を反映している気がします.また,レオはジャングルの動物達でオーケストラを編成し,音楽を奏でたりもします.そのオーケストラの音楽を聴いて,ハム・エッグとアセチレン・ランプがやってきます.そこでレオはハム・エッグがパンジャを殺したことを知り,襲いかかります.命だけは助けてやると言い残してレオはその場を去りますが,その後,ハム・エッグはブブに襲われて,ケン一に看取られながら,メリーを頼むと言い残して死んでしまいます.そしてレオはジャングルでライオンとして生きていくことを決めるのでした.ただし,この時でもレオはまだズボンを履いています.

なんと,Kindle版は297円です!! 

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The Man in the High Castle / 高い城の男 1-2 Sunrise / サンライズ

前回に引き続き,Amazon Primeで配信されている「The Man in the High Castle / 高い城の男」の,シーズン1 エピソード2のあらすじ等のメモです.

1-2 Sunrise / サンライズ

中立地帯のキャノン・シティのサンライズというダイナーで働き始めたジュリアナ・クレインは,サンライズに訪れる「折り紙を折る男」に会い,妹の接触相手だと考える.その男は,実はナチスの粛清分子を抹殺する工作員であり,ジュリアナからフィルムを受け取った後に,ジュリアナを殺そうとするものの,駆けつけたジョー・ブレイクの助けもあり,ジュリアナをダムから突き落とそうと襲いかかったところを,ジュリアナに合気道の技をかけられ,ダムから転落する.襲いかかる前に,折り紙を折る男は「トルーディ,お疲れさま」と言うことから,「イナゴ重く横たわる」と題された謎のフィルムをトルーディ・クレインが届けるというレジスタンスの活動は,大ナチス帝国にバレていたことがわかる.また,ジュリアナは,「折り紙を折る男」を投げ飛ばした現場に,フランク・フリンクが以前に描いた,ジュディの似顔絵(実際には,ジュディがフランクのデザインした宝飾品をつけている絵)を落としていってしまう.ジョン・スミスは通勤途中にレジスタンスから襲撃される.フランクの姉と子どもたちも逮捕され,フランクが協力しないとユダヤ人として処刑されると脅される.フィルムを含むジュリアナの荷物(実際にはジュリアナの異父妹のトルーディ・ウォーカーのもの)を盗んだ女が逮捕され,ジュリアナがフィルムを運んでいたのではないと日本太平洋合衆国の木戸武が判断したために,フランクは釈放されるが,フランクの姉と子供たちはすでにガスによって処刑されていた.
このエピソードでは,挿入歌として,坂本九の「上を向いて歩こう」と,ビリーホリディの「不思議な果実」が使用されています

 

以下は,エピソード2からの登場人物です.

折り紙の男(アラン・ハーヴェイ)
登場:シーズン1
中立地帯で活動する大ナチス帝国保安部のスパイ.フィルムを所持するジュリアナを殺そうとするが,駆けつけたジョー・ブレイクの助けもあり,ジュリアナに襲い掛かったところを合気道の技をかけられ,ダムの堤体から投げ落とされる.

 

The Man in the High Castle / 高い城の男 1-1 The New World / 新世界

Amazon Primeで配信されている「The Man in the High Castle / 高い城の男」は,歴史改変SFで,第二次世界大戦で連合国がナチス・ドイツと大日本帝国に敗れた1960年代のアメリカが舞台となっています.ただし設定や人物名など多くがフィリップ・K・ディックの原作とは異なり,原作にない内容が大幅に追加されています.今後,何回になるのかわかりませんが,自分用のメモとして記事を投稿していく予定です.ちなみに,現行の原作小説の装丁はこんな感じ↓です.

 

「高い城の男」の概要は,以下のとおりです.

第二次世界大戦で,アメリカは首都ワシントンD.C.に原爆を投下され敗戦し、ドイツと日本により分割統治されて,国土の東側半分は大ナチス帝国の一部となり,西側の四分の一ほどが日本太平洋合衆国として日本により統治され,両国の中間には中立地帯がおかれている.世界の大半はドイツと日本に支配されており,両国は表向きは同盟国で友好関係であるものの,日本はドイツの技術力・軍事力に圧倒され,ドイツから軽視されつつあり,両国は敵対関係に入りつつある.東側ではドイツの親衛隊によって,西側では日本の憲兵隊によって,アメリカの人々の人権は抑圧され,両国に抗するレジスタンス運動がひそかに広がっている.西側のサンフランシスコ,東側のニューヨーク,および中立地帯を主な舞台として,体制を転覆させようとする,あるいは守ろうとするアメリカ人,日本人,ドイツ人たちによる群像劇である.「高い城の男」と呼ばれる謎の人物が自分たちの歴史とは全く異なる現実を撮影した,謎のフィルム「イナゴ身重く横たわる」がひそかに出回り,アドルフ・ヒトラーがそれを大ナチス帝国に対する深刻な脅威と判断したことで,フィルムを巡る争いが人々を巻き込んでいく.

 

シーズン 1の10話は, Amazonビデオ で2015年11月20日から配信されています.

 

1-1  The New World / 新世界
1962年,連合国が枢軸国に敗れた世界のアメリカで,ドイツの傀儡国家である大ナチス帝国の親衛隊大将ジョン・スミスの下で働くスパイであるジョー・ブレイクは.禁制のニュース・フィルムを調査するよう命じられる.日本の傀儡国家である日本太平洋合衆国のサンフランシスコに住み,合気道を学ぶジュリアナ・クレインは、ユダヤ人の出自を隠す宝石デザイナーのフランク・フリンクと同棲している.貿易大臣の田上信輔はベルリンからやってきたナチ将校のルドルフ・ウェゲナーに会う,ジュリアナの目の前で妹のトゥルーディ・クレインが憲兵隊に殺されるが,その直前に,ジュリアナはトゥルーディから連合国が勝った歴史を映すフィルムを受け取り,ジュリアナは妹がレジスタンスであったことを知る.ジュリアナは妹の遺志を継いで,妹から受け取ったメモにあった場所を目指してフィルムを中立地帯に運ぶが,途中で荷物が盗まれてしまう.ジュリアナとジョーは中立地帯で出会う.フランクはフィルムを追う木戸武憲兵隊大尉に逮捕され,大ナチス帝国に送還されて処刑されそうになる.

 

以下は,エピソード1の登場人物に関するメモですが,先々のことも書いているため,ネタバレとなります.

 

ジョン・スミス(ルーファス・シーウェル) 
登場:シーズン1-4
ニューヨークの親衛隊本部に勤務する大ナチス帝国の親衛隊大将.旧アメリカ合衆国出身で,かつてはアメリカ陸軍に所属しており,南太平洋ソロモン諸島での激戦を経験した.合衆国陸軍では大尉であったが,親衛隊では大将にまで登りつめ,1945年のワシントンへの原爆投下の際には,近郊の自宅から閃光とキノコ雲を目撃した.ジョー・ブレイクを使ってフィルムの調査と回収にあたる.高い戦闘能力を持っており,また,ナチス内部の陰謀を敏感に察知する嗅覚や用心深さも備えている.郊外の邸宅に妻と子供たちと暮らし,家族思いである.ナチスというのは強者ばかりを称賛し、病者や身体障害者などの弱者に対しては冷酷で弱者を抹殺しようとする組織であるため,自らもその思想に染まってナチスへ献身している.だがある日,息子・トーマスが不治の難病にかかっていると医師から告げられ,ナチスが抹殺対象とみなす弱者となる運命にあると知り,深く思い悩み,彼を生かすために奔走する.ホイスマンのクーデターを鎮圧した功績からアメリカ人として初めて親衛隊上級大将に昇進し,さらには北アメリカ国家元帥に昇進してヒムラーの腹心の地位を確立する.その一方で,トーマスを喪ったことで妻・ヘレンとの関係が悪化していき,並行世界で生存しているトーマスに依存するようになる.シーズン4ではゴーツマンと共謀してクーデターを起こしてヒムラーを暗殺し,大ナチス帝国から自治権を獲得して北米長官に就任する.日本の撤退を機に北米統一を目指して黒人共産反乱軍との戦争を宣言し,同時に並行世界からトーマスを連れ出すことを画策するが,ジュリアナやワイアット率いるレジスタンスに襲撃されヘレンを喪ってしまう.最期は幸福な人生を送る並行世界の自分に想いをはせながら自殺する.


ジョー・ブレイク (ヨーゼフ・ホイスマン)(ルーク・クラインタンク )
登場シーズン:1-3
ナチスの工作員.レーベンスボルンで生まれた純血のアーリア人で,ナチス高官のホイスマンを父に持つが,生後間もなく母に連れられてニューヨークに移住する.スミスの命令でレジスタンスに潜入して,キャノンシティにフィルムを輸送したことからジュリアナ・クレインと行動を共にし,彼女に好意を抱く.また、任務の範疇を超え『イナゴ身重く横たわる』の内容に興味を抱く.その後,ホイスマンに呼び出されてベルリンに向かい、そこで自分の出自を知り,父の秘書としてベルリンに留まる.ヒトラーの死後,全権を掌握して日本との戦争を画策する父に反対し,ジョン・スミスと協力して戦争を止めようとするが,ジョン・スミスによってクーデター首謀者として父共々逮捕される.シーズン3ではヒムラーの命令で父を処刑し,彼直属の暗殺部隊に配属さて,「ヨーゼフ・チナデーラ」の偽名を使ってニューヨークに帰還する.ヒムラーの指令を受けてクーデター派の暗殺を行い,さらに田上信雄の命を狙う中でジュリアナ・クレインと再会する.ジジュリアナ・クレインを利用して田上信雄の暗殺とアベンゼンの拘束を画策するが,彼女に殺害される.

 

ジュリアナ・クレイン(アレクサ・ダヴァロス)
登場:シーズン1-4
アメリカ西側の日本太平洋合衆国サンフランシスコの住民.実の父が日本軍との戦いで南太平洋にて戦死しており,母や親類は日本を憎んでいる.ジュリアナ・クレインも政治や信条としては日本を好きではないが,合気道を美しいと気に入っており,道場に通っている.異父妹トルーディが抵抗運動に参加して日本の憲兵隊に射殺された際に所持していたフィルム『イナゴ身重く横たわる』の謎を追って,中立地帯のキャノンシティを訪れている時に,ジョー・ブレイクと出会う.秘密を探るために,日本太平洋合衆国政府の職に応募し,田上信輔のスタッフとして勤務する.

 

フランク・フリンク(ルパート・エヴァンス)
登場:シーズン1-3
ジュリアナ・クレインと同棲するボーイフレンドでユダヤ人の血を引く白人男性.宝飾品加工の確かな腕を持っているが,抑圧下のアメリカでは宝飾品は贅沢品として作ることが許されていないため,不本意ながら金属加工の技術を活かして模造銃工場で働いている.ジュリアナ・クレインとの平穏な生活を望んでいたが,フィルムを巡る争いに否応なく巻き込まれる.妹家族を憲兵隊に殺されてレジスタンスとなり,憲兵隊本部爆破テロ事件を起こす.その際に,自らも火傷を負って中立地帯のユダヤ人共同体に身を隠し,そこで反戦メッセージを込めた絵を描くようになる.当初は妹(ローラ・クローザース)家族の敵討ちのために無関係の人々を巻き込んでテロ事件を起こした罪悪感に苛まれていたが,ユダヤ人共同体での生活やアート活動を通して次第に,元気を取り戻すようになる.その後,再会したエド・マッカーシーと共に街中に絵を描いたところを,木戸に逮捕され,処刑される.

 

エド・マッカーシー(DJクオールズ) 
フランク・フリンクの同僚で親友.同性愛者で,かつてはフランク・フリンクに想いを寄せていた.憲兵隊に追われるジュリアナとフランク・フリンクを助けようと奔走する.フランクが皇太子狙撃犯の嫌疑をかけられた際に彼をかばって犯人として名乗り出て投獄され,憲兵隊に協力することを条件に釈放される.その後はフランク・フリンクとロバート・チルダンと共に美術品の贋作製作に携わるが,フランク・フリンクによるテロ事件に対する憲兵隊からの報復から逃れるために,ロバート・チルダンと共に中立地帯に脱出する.避難先のデンバーで出会ったジャックと親密な関係になり,チロバート・チルダンと別れて同地に残ることを選択する.フランク・フリンクの生存を知ると,彼のアート活動に協力し,彼の死後はジャックと共にサンフランシスコに向かってチルダンと再会し,3人でフランク・フリンクの絵を街中に掲げ,フランク・フリンクの遺志を継ぐことを決意する.シーズン4には登場しなくなり,その後の去就は不明となる.

 

トルーディ・ウォーカー(コナー・レスリー)
登場シーズン:1-3
ジュリアナ・クレインの妹.レジスタンスの一員で,木戸武に射殺されるが,死の直前にフィルムをジュリアナに託す.シーズン3では並行世界から「こちら側」に迷い込みアベンゼン夫妻のもとで半年ほど暮らし,その際にジュリアナと出会う.

 

アン・クレイン・ウォーカー(マコール・ゴードン)
登場シーズン:1-2
ジュリアナとトルーディの母.日本人に対して嫌悪感を抱いている.

 

田上信輔(ケイリー=ヒロユキ・タガワ )
登場:シーズン1-3
日本太平洋合衆国の通商大臣.思慮深く,皇太子妃からの信頼も厚い.易占いを好む.平和主義者で,核抑止力によって戦争を回避するために,ナチスの原爆技術を日本に持ち込もうと,ウェゲナーと共に秘密裏に活動する.民族主義者ではなく,人種偏見が少ないため,白人であるジュリアナ・クレインにも敬意を持って接する。妻子とは死別している。並行世界の一つでは妻子は健在で、息子がジュリアナ・クレインと結婚していることから,彼女に特別な庇護を与えている.ナチスとの戦争を回避するために奔走していたが,陸軍強硬派によって暗殺される.

 

ルドルフ・ウェゲナー(カーステン・ノルガード)
登場:シーズン1
親衛隊大佐.ジョン・スミスの旧友.日本との戦争回避のために田上信輔と手を組み,ナチスの原爆情報を日本側に漏洩させるが,ジョン・スミスに露見して拘束される.その後,ハイドリヒに身柄を引き渡され、家族の身の安全と引き換えにヒトラー暗殺を命じられる.総統大本営でヒトラーを暗殺しようとするが失敗し,その場で自殺する.

 

木戸武(ジョエル・デ・ラ・フエンテ )
登場:シーズン1-4
日本太平洋合衆国の憲兵隊幹部.階級は警部・大尉で,シーズン4では大佐に昇進している.出身は福島県郡山で,かつてはスミスと同じソロモン諸島の戦闘に従軍していた.私服でレジスタンスの摘発及び『イナゴ身重く横たわる』の回収にあたっており,トルーディ(ジュリアナ・クレインの異父妹)を射殺した.ジュリアナ・クレインをかばう田上と対立しており,スミスやヤクザとは協力関係にある.フィルムを託されたジュリアナ・クレインの行方を捜す中でフランク・フリンクを逮捕し,ユダヤ人である彼の妹家族をガス室で殺害したことで,フランク・フリンクから恨まれている.日本がアメリカから撤退する際にはサンフランシスコに残留するが,息子である木戸徹がヤクザに多額の借金を抱えたことで,息子の解放と引き換えにヤクザの一員となる.

dexed

YAMAHA DX7 のソフトシンセであるdexedを Logic Pro で使えるようにセットアップしました.
まずは,dexed のサイトにアクセスして,ページ右上部分の"MAC"フォルダをクリックしてインストーラーをダウンロードします.この時点でのバージョンは 0.9.8 でした(GitHubのサイトはこちら).

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dexed のホームページトップ画面

ダウンロードしたファイル( dexed-0.9.8-macos.zip )を解凍するとdmgファイル( dexed-0.9.8-macos.dmg )が現れます.そして,このdexed-0.9.8-macos.dmg をダブルクリックすると dexed-macOS-0.9.8.pkg というインストーラーが現れるので,これをダブルクリックして,インストーラーの指示に従って特に何もせずにインストールを進めます.注意するとしたら,以下の画面のように何をインストールするかを尋ねる画面があるので,その画面では全てにチェックを入れておきました(AU対応しているようなので,VST3は外しても良いような気もするのですが…).

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dexedをインストールするためのチェック項目

このインストールが終わると,dexed が使えるようになっていました.

dexed 関連のダウンロードサイト
DX7 のオペレーティングガイドブック,取扱説明書の ダウンロードサイト
DX7 のsysex サウンドパッチのダウンロードサイト Yamaha DX7 sysex Sound patches

久しぶりに 攻殻機動隊 / 士郎正宗 を読む #8 DUMB BARTER

本当は漫画からの切り抜きを文中に貼り込もうと思っているのですが,作業が追いついていません...

タイトルのDUMB BARTERは,日本語では沈黙交易と呼ばれます.これは,異文化間の交流において,言葉や直接の対面を避けて,中立地帯で交互に品物を置いて交換する取引形式のことを指します.別名「無言交易」,「沈黙取引」などとも呼ばれ,物理的接近を避けることで対立や捕獲の危険を回避して,平和的に物資を獲得する手法のことです.

 

相馬という太々しい人相の男が電脳のメンテナンスをしています.メンテナンスの完了にあたって,ドクターが「最後にモデルイメージとシンクロするかどうかテストを」と言いますが,相馬はその必要はないと言います.その理由は,相馬が「ネットしたかったモノとうまくシンクロしているようだから」と言っています.ドクターは何のことかわからないようです.
この,相馬がネットしたかったものとは何でしょうか.また,ドクターの後ろには相馬のものと思われる思考戦車が置かれています.この思考戦車と上手く繋がっているということでしょうか

草薙素子が制服を着て,男に午後には帰れると思うと,男に言っています.彼氏ができたようです.その時に呼び鈴が鳴り,草薙素子の頭には画像が浮かび,4階の錆田三田と言います.草薙素子の電脳はマンションの警備システムと繋がっているようです.草薙素子が玄関のドアを開けようとしたところ.ショットガンのような銃で玄関がぶち抜かれます.ショットガンの装填音に反応した草薙素子は即座に銃を抜いて打ち返します.相手を倒したかと覗き込んだところ,相手の腹にはC4爆弾が巻かれていて,その後に爆発します.
オペレーターから草薙素子のベッドで爆発があったことがオペレーターから荒巻に告げられ,バトーは病院へ,イシカワは現場へ急行します.
病室を出ていく彼氏と,草薙素子は付き合い始めてから7ヶ月のようで,そのことを揶揄ったバトーは草薙素子に殴られています.頭を殴られたバトーは痛がっていて,自分も全身サイボーグ化するかな...などと言っています.バトーの目は義体化されていることは間違いありませんが,どのくらい義体化されているのでしょうか.映画の GHOST IN THE SHELL では,最後のあたりで狙撃される草薙素子を義体化されている腕で庇いますが,漫画とは設定が異なるのか(もしかすると漫画の中でもバトーの腕は義体化されている可能性もありますが)もしれません.

草薙素子は,この事件の容疑者はテロリストの相馬亨だと言います.今回の草薙素子のベッドが襲われたのと同じ方法で,過去に相馬亨の殺害を試みていたようです.草薙素子はトグサと一緒に捜査(荒巻曰く,犯人を釣るための餌)を行います.トグサと草薙素子の乗る車には少し離れてフチコマも連れています.フチコマには,尾行車両に照準を合わせているようです.草薙素子は蛍と呼ばれる情報屋のところに寄ります.そこで,相馬亨があまり群れずに単独で行動するタイプで,現在の顔の写真を入手します(写真には冒頭で電脳のメンテナンスを受けていた男がうつっていました).また,弁天一家というギャングと近づきたかっっていたものの,弁天一家も相馬のことをよく思っておらず,取り合わなかったため,その関係は成立しなかったことがわかります.その後,廃工場に入り,草薙素子とバトーを尾行してきていた連中を迎え撃とうとします.この時,フチコマもいるし,すぐにカタがつくだろうと鷹を括っているトグサに,草薙素子は「ダメよトグサ,たとえ相手が小学生でも全力投球しなきゃ」と注意します.やはり,この姿勢が,草薙素子が歴戦を生き残ってきた所以なのではないかと思います.その廃工場に少し遅れてトラックが到着したのをみて,草薙素子は,トグサに,フチコマでトラックを今すぐ破壊するように指示を出します.フチコマは指示通りにミサイルを撃ち込みますが,トラックの中から出てきた思考戦車に逆に返り討ちに合ってしまいます.打たれたフチコマが反撃しようとすると破壊されると考えたのか,草薙素子はフチこまに死んだふりをしているように指示し,本部に完全武装のフチコマ4体と援軍を要求します.ちなみに撃たれて瀕死状態のフチコマは,相手の思考戦車を見て「わお♡」と喜んでいます.この思考戦車はドイツ製のようです.

草薙素子は,相手は相馬亨率いるテロリスト集団だけではないようだと予測しています.それに対してトグサが「相馬に手を貸している合法組織があると?」と言っていることから,テロリストやギャングではない公的な組織が一緒になって草薙素子を狙っているようです.相馬亨の思考戦車の撃つ弾は光景が大きく強力なようで,草薙素子は左手の肘から下を打ち飛ばされてしまいます.右手にナイフを持って戦う草薙素子は,銃を持っている彼氏と鉢合わせます.お互いに,なんでここにいるんだという表情を見せた後,草薙素子は彼氏の肩にナイフを投げ,本部のオペレーターに敵は公安1課だと部長に伝えるように言った後に,怒って通信機を握りつぶします.さすが全身義体化されたサイボーグです.怪力です.本部のオペレーターは荒牧部長は,現在公安1課のところへ行っていると言おうとしたところ,(草薙素子が通信機を破壊したので)通信が切れてしまい呆然としています.

荒巻部長は,公安1課に乗り込み,課長に1課の部隊を撤退させるように迫ります.ここで,弁天一家に無視された相馬亨が腹いせで取引相手の麻薬王アナコンダの情報を売ろうとしたことが明らかになります.構図としては,アナコンダは弁天一家を潰し,公安1課はアナコンダを押さえて,相馬亨は草薙素子を得るということのようです.相馬は思考戦車で草薙素子を追い詰めます.アームで草薙素子の頭蓋を掴んで破壊しようとしていたところに,駆けつけたボーマからバトーが受けとったロケットランチャーを撃ち込み,思考戦車は停止し,思考戦車から出てきた相馬亨を草薙素子の彼氏が殴り,倒れたところに,草薙素子がバトーから受け取った銃で弾丸を撃ち込みます.

相馬の目的は最初から草薙素子で,公安1課が乗ってきそうなネタを仕入れるために弁天一家に接近していたようです.また,実際に相馬亨がアナコンダを知っていたのかどうかは怪しいどころか...冒頭で草薙素子が制服を着ていたのは某国の公安大臣とアナコンダの暗殺作戦の成功を祝っての祝賀会をするためだったことを彼氏に明かします.すなわち,アナコンダは草薙素子たちによって暗殺されていて,公安1課はそのことを知らずに,相馬亨からアナコンダの情報が入ることを期待して草薙素子を売っていたのでした.そして,草薙素子の彼氏の名前は最後までわからずじまいでした.

最後のコマで公安1課の課長が轢き逃げにあって重体となったというニュースが流れています.その横で車に乗っているボーマが「あー疲れた」と言っていて,車には絆創膏のようなものが貼ってあることから,轢き逃げの犯人はボーマなのでは...と思われます.

久しぶりに 攻殻機動隊 / 士郎正宗 を読む #1 - 7

攻殻機動隊は,1989年に士郎正宗氏が講談社のヤングマガジン海賊版で連載を開始したSF漫画です.電脳戦や格闘などで優れた能力を持つ,全身義体で少佐階級を持つ草薙素子をリーダーとした攻殻機動隊が,近未来のサイバーパンクな舞台で,複雑化する犯罪と対峙するなかで,哲学的な問いや技術的ない未来予測が散りばめられているストーリーです.

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ファンの多い攻殻機動隊ですが,作品が発表された1989年前後は第二次AIブームが終焉し,AIの冬といわれる時期に入った頃になります.この当時のAIに関する世の中の動きや雰囲気は分かりませんが,AI開発に関する一種の落胆ムードのようなものがあったのではないかと想像します.

各話の解説というか解読に関しては,第一話から第七話までとても詳しい解説があります.これらは,とても詳しく,そうなのかぁ...という箇所がたくさんあります.記事が7話で終わってしまっているのがとても残念です.

note.com

7話までの解説等は,上記のブログに詳しいので,まずは,7話までで,用語の定義や疑問点,およびブログで述べられていないことなどについて再確認した内容を書いておきます.

 

01 PROLOGUE(2029.3.5)

冒頭に物語の舞台として「企業のネットが星を被い,電子や光が駆け巡っても国家や民族が消えてなくなる程情報課されていない近未来」という説明があります.ここで「企業の」という所に,若干の違和感を覚えます.ネットはインターネットを指していて,インターネットに企業が関連しているのは間違いありませんが,かといって誰かのものというわけではなく,数多くの人によって,勝手に成長し続けている情報網,かつ情報(データ)だと思います.もしかすると「企業の」という言葉には私が思ったこととは違う意味があるのかもしれませんが,どうなのでしょうか.

また,舞台は日本です.映画の THE GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1996),イノセンス INNOCENCE(2004)における街並みは,サイバーパンクにありがちな,香港の街(例えば,過去の九龍城砦の街並み)のような描写で文字は基本的に漢字のみですが,原作の街並みは,日本と香港の都市の中間的な描かれ方です(落書き等には日本語が使われている).また,攻殻機動隊の話は,アップルシードの100年前の話ということで,士郎政宗氏のアップルシード イラスト&データブックの年表をみると,攻殻機動隊の舞台がどのような世界なのかを知ることができます.

p.4 (Kindle版 p.8)で襲撃前の草薙素子が「暗号変換 AI任せだとネコにもネズミにも聞かれるわよ」と言っています.ここでのAIが製作時にどのようなイメージだったのかはわかりませんが,現在の状況で考えると,LLMによる機械学習プログラム(例えばChat GPTやGemini などの,現在,一般的に AI と呼ばれているもの〜個人的には機械学習によるプログラムをAIと呼ぶことには結構な違和感がありますが...〜)レベルで作れる,既存プログラムレベルの変換プログラムといった感じで捉えれば良いでしょうか.

p.8 (Kindle版 p.12)の草薙素子が襲撃した後に,光学迷彩を纏って地上に降りていくシーンがあります.このシーンは後に攻殻機動隊における象徴的なシーンとして使われています.また,設定では,光学迷彩が実戦に配備されたのは2005年で,2040年頃まで光学迷彩が使われていたとされています.第一話は2029年3月5日のことで,草薙素子が纏っているのは2902熱光学迷彩で,2029年製の型式改造タイプという注釈があります.

最後のコマで,それまでは少佐と呼ばれていた主人公の草薙素子が,内務大臣のオフィスに座っていて,サイボーグだと説明されています.

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2026.07.07 追記

カンテレ・フジテレビ系で,攻殻機動隊シリーズの新作テレビアニメ「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」が放送されました.
第一は,01 PROLOGUE と同じ内容です.

声優の人たちは以下のように一新されました.以下の記述においてカッコ内はこれまでの声優です.
草薙素子:坂本真綾(田中敦子)
荒巻大輔:山路和弘(阪脩)
バトー:安元洋貴(大塚明夫)
トグサ:中村悠一(山寺宏一)
イシカワ:後藤光祐(仲野裕)
サイトー:奈良徹(大川透)
フチコマ:金田朋子(玉川紗己子)

草薙素子の第一声は「うるさいな.わかってるって.暗号変換AI任せだと,猫にも鼠にも聞かれるわよ」でした.「暗号変換AI任せ」というのも相当,現実味を帯びてきているキーワードだと感じます.

youtu.be

ネットで拾った,声優の方々のコメントを転載しておきます.

■坂本真綾(草薙素子役)コメント

攻殻機動隊にはこれまでもご縁がありましたが、今回素子の声を担当させていただくことになったのは、思いがけないことでした。幼いころから共演の機会が多く、人としても俳優としてもずっと尊敬してきた大好きな田中敦子さんが、長い年月をかけて大切に育み愛してきた素子。

今作で素子役をというお話をいただいたとき、どうしてもすぐに受け止めることができませんでした。でも監督やプロデューサーさんとお会いし、攻殻機動隊にあこがれ影響を受けてきた世代のクリエイターたちがリスペクトを込めて挑戦する作品であると伺い、まっすぐな熱意に触れ、もし私にできることが少しでもあるのならと考えました。

全話の収録はすでに終わっています。この作品に向き合うことが、私にとって敦子さんへの感謝と寂しさを噛みしめる大事な時間になったように思います。

今作の素子は表情豊かでエネルギッシュで、コミカルなシーンも多いです。このような素子をアニメで見るのは初めてで新鮮でした。そのぶん演じるのはとても難しかったです。軽やかさの奥で、素子が人知れず欠落を抱えながらも進んでいく、その原動力とは何なのかずっと考えていました。

これから先どれほど時が流れ時代が変わっても、攻殻機動隊が世界中の人々に与えるインスピレーションと問いは永遠だと思います。いつまでも愛され憧れられ続ける、伝説のような作品に携わらせていただけたことを大変ありがたく感じています。

■山路和弘(荒巻大輔役)コメント

「攻殻機動隊」。このタイトルが懐かしい。私が初めて劇場アニメに関わったのが、この作品だった。田中敦子が居た。家弓家正さんが居た。お二人とも鬼籍に入られたが、自分が緊張の極み状態だった所為か昨日のことの様に憶えている。また関われた事が誇らしい。そして今回、荒巻というダサカッコいいオヤジに対面し、ともに収録は出来なかったが、先に録った坂本真綾の落ち着いた声に包まれた時、いうに言われぬ幸せを感じた。この作品、たまらない。

■安元洋貴(バトー役)コメント

若かりし時よりずっと愛してやまない攻殻機動隊。その世界に自分が関われる事になるとは、人生何があるかわからないもんですね。ただただ、精一杯努めます。これしか言えないです。よろしくお願いいたします。あ、そうだ。攻殻機動隊展行ってたんですけど、それを話すと匂わせとか言われても嫌だから話せずにいました。それだけが辛かったです(笑)。ちなみに展示は最高でした。

■中村悠一(トグサ役)コメント

これまで何度もアニメ化され、そのどれもが魅力にあふれた本シリーズの最新作に参加ということで、シリーズを観てきていた自分には青天の霹靂といいますか…とにかく驚いたのを覚えています。

参加することが決まってからはそこまで時間も置かず収録が始まり、トグサ、本作では敢えてトグサ君と呼びたいところですが、彼への向き合いがほぼ時間を占めてきたと思います。トグサ君は経験値が無いわけではないですが、「9課」の仕事をするという中では甘いところもあるので、喜怒哀楽が豊かでこれまでのイメージとは少し違ったタイプになると思います。

視聴者のみなさんの目線になれるキャラクターとして演じていきたいです。初めて本作に触れる方はもちろん、これまでシリーズを愛してくださっている方にも楽しんでいただける作品になっていると思います。迫力ある映像やアクションだけでなく、現代にも通じるテーマや問いかけが数多く盛り込まれていますので、じっくり味わっていただければ嬉しいです。新たな「攻殻機動隊」をよろしくお願いいたします。

■後藤光祐(イシカワ役)コメント

攻殻機動隊は学生時代に出会い、当時はまだ多くを理解できず、大人な渋い作品だと感じていました。それが大人になり、攻殻機動隊の面白さに触れ、憧れを抱き、今作品でイシカワに携われました。イシカワを家具で例えるならソファーだと個人的に感じております。多くの方がこの作品への様々な想いがあるのを承知しております。僕も同じく想う1人です。それらを受け止めたうえで、考え、丁寧に、そして攻めの姿勢でモノづくりに挑戦していきました。では、電脳の世界へいってらっしゃいませ。

■奈良徹(サイトー役)コメント

TVアニメ「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」楽しみであると同時になんとも言えない緊張感があります。どういう映像になるのか、どんな音楽が作品の空気をつくるのか。出演者ではありますが、僕自身楽しみにしています。僕はサイトーをつとめさせていただきます。本当に光栄に思っています。

攻殻機動隊。ありがたいことに、以前出演させていただいたことがあるのですが(一度だけですが)、令和の時代にこんな未来が待っているとはまったく想像できませんでした。あの時の自分に教えてあげたいです。ぜひ「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」楽しんでください。

■金田朋子(フチコマ役)コメント

声質的にバレやすいので(苦笑)。普段兼ね役が少ない私ですがいっぱいでてくるフチコマをなんとありがたいことに全て担当させていただきました! めちゃめちゃ嬉しかったです! そしてそれぞれのフチコマがみんな愛おしくてしかたないです!

ただ、昔、声を研究されてる先生に私の声を見ていただいたことがあるのですが、シロテテナガザルが危機感を感じた時に仲間を呼ぶ時の音波と一緒らしく、そんな私がたくさんのフチコマの声を担当させていただいたこともありもしかしたらなんですが謎の頭痛が起きるかもしれません(苦笑)。その時は必ず耳鼻咽喉科に行ってください(苦笑)。

とにかく楽しかったですーーーー!! フチコマ最高ーーーー!! みなさんよかったら推しのフチコマ?? を見つけてみてくださいっ(笑)。

■大井麻利衣(オペレーター役)コメント

まさか自分が「攻殻機動隊」に携われる日が来ようとは…大変光栄です!たくさん映像化されている「攻殻機動隊」ですが、今回は原作に沿って、よりポップでコミカルな部分も感じ取れるかと思います。オペレーターことオペ子さんは、ゴーストを持たないアンドロイドで酷い目にあったりもしますが、設定資料をいただいた際、「(オペ子は)可愛いです。とにかく可愛くなれって思いながら描いて下さい。」の指示と、どの表情画にも「可愛い」と書いてあって愛を感じました(笑)。

オペ子は9課を見守る存在ですから、私も視聴者の皆さんと一緒に、全スタッフ・キャストの想いの詰まった今作品の放送を見届けたいと思います!

■茶風林(内務大臣役)コメント

憧れの「攻殻機動隊」に参加できて感無量であります。未来を先取りしたストーリー、それを裏付ける重厚な政治構造、イカしたメカの数々、セクシー満載、センスの良いウィット、その中で政治的ボスである内務大臣、横柄でありながらもその仕事はでたらめではない、そんな巨体のブルドッグのような内務大臣を演じることができて至福でありました。ぜひこの新しい「攻殻機動隊」をお楽しみください!

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02 SUPER SPARTAN (2029.4.10)

花見のシーン(草薙素子は,桜の24時間監視と言っていますが...)から始まり,草薙素子は桜の浮かんだ杯に入っている液体を飲んでいます.現代で考えれば日本酒なのかなと思いますが,サイボーグは日本酒を飲む(もしくは飲める)のかと不思議になります.日本酒の代わりに,高純度の油などなのでしょうか.

この回からフチコマが登場します.フチコマはロボットで,草薙素子達のアシスタント兼,人工知能を搭載した自律型の戦闘用車両という感じです.漫画の中では「思考戦車」とされており,先に紹介したブログには,思考戦車はThink Tankにかかっているだろうと書いてありました.そんな事には全然気づけなかったので,なるほどぉ〜といった感じで感心しました.

p.13(Kindle版 p.17)で,脳潜入(Brain diving)という言葉が出てきます.これは,他者に脳内に潜入させることでダイレクトに情報共有する事のようです.これは有線,無線の両方での接続が可能なようで,無線だと盗聴のリスクがあるようです.脳潜入には,ここまでしか潜入させないという設定ができそうなものですが,このシーンでは共有したい事〜今回は荒巻との会話〜以外の記憶(データ)にアクセスできるようになっているようです(とは言うものの,ゴーストラインより潜るなと言っているので,一応の境界は設けているようです).その証拠に,脳潜入を行なったメンバーは,本題と関係ない情報にアクセスしてそれに対するコメントをしていたり,草薙素子が「そろいもそろってゴースト近くまで潜ってきやがって」と言っています.おそらく,ゴースト近くまで潜るというのも技術が必要だと思われるので,メンバーの能力の高さを表しているのでしょう.

p.15(Kindle版 p.19)に登場した赤い服の女性はロボットです.草薙素子はスピーカーと,バトーはゴーストのないお人形と言っています.漫画の舞台では,人間は電脳化,義体化していますが,ゴーストを持っています.また義体は,人間型のロボットと似通ったものであるようで,一見,区別がつきにくいようですが,ゴーストを持っていません.例を挙げると,ロボットは今回登場した赤い服の女性や,フチコマで,サイボーグは草薙素子やバトーということになります.

p.30(Kindle版 p.34)で「そうしろとささやくのよ 私のゴーストが」という名セリフが登場です.このゴーストに関しては,また別の記事で書いてみたいと思います.

そして,最後に階級なしの実力主義の,犯罪の芽を探し出しこれを除去する攻性組織である公安9課が誕生します.

 

03 JUNK JUNGLE(2029.7.27)

p.52(Kindle版 p.56)でレズビアンセックス(注釈によると,実際の行為ではなく擬似体感ソフトを用いた擬似的な脳内の感覚のようです)をしていた草薙素子を呼び出し,脳に潜入したバトーは,気持ち悪がって「端末がない器官でよかったぁ〜」と言っています.これは脳潜入したことで,バトーは感覚を共有したものの,自身にない器官の感覚だったためによくわからず,気持ち悪いと感じたのだと思われます.注釈に異性には効果がないと書いてあるのは,このことだと思われます.草薙素子は全身を義体化しているので,体内に自身の期間は残されていないはずなのですが,その器官が過去に存在したということを脳が覚えていて,そこに作用するという設定のようです.また,後の 05 MEGATECH MACHINE 2 メイキング・オブ・サイボーグ のところでも草薙素子がこれらのことについて「物理的限界がないってのはおそろしーな」と呟くシーンがあります.確かにその通りで,脳内だけの世界で,肉体的なストッパーがかからなくなると,どうなってしまうのだろうかと思ってしまいます.ここで挙げている例だけではなく,例えば以前にTHE GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊の感想などの投稿にも書きましたが,映画の中で,草薙素子がタンクのハッチを開けるために自身の手足が破損し,千切れてしまっても力を入れ続けるシーンがあります(結果的に草薙素子の義体は壊れてしまう).以前の投稿では,自身で義体が破損する警告を切ることができるのではないかと想像しましたが,物理(肉体)的,または精神的な限界(恐怖を感じること)は,自身を守るためのでもあり,重要な機能であることを,改めて感じます.

p.58(Kindle版 p.62)で,外務大臣の通訳が人工頭蓋を外されています.草薙素子が「ウィルスはいつ彼女のゴーストに達する?」と聞いていることから,通訳の女性はゴーストを持つ人間〜サイボーグ〜であることがわかります.人工頭蓋からは,結構太いケーブルが頭の中に繋がっています.人工頭蓋の中には脳が入っているのか,それとも脳も機械化されているのかは分かりません.

p.62(Kindle版 p.62)の注釈においてAIについての記載があります.ここでAI(Artificial Intelligence) について,

「人工知能」のこと.「コンピュータサイエンスにおいて実務的な情報処理以外に知的機能を研究する分野,またはその産物

と書いてあります.これまでの攻殻機動隊に関する投稿の中で,現在(2026)AIと呼ばれるLLMによるプログラム(Chat GPTやGemini)をAIと呼ぶには抵抗があるというのは,この定義によるものです.上記のプログラムはネット上の情報を学習して高度な(あたかも人と話しているかのような)やり取りはできますが,これは情報処理の域を出ておらず,上記の「知的機能」ではないと考えるからです.

外務大臣の通訳である女性が感染した HA-3 ウィルについて,草薙素子が 人格乗っ取り型のウィルスで,単体では無害で,ゲノムが揃うと動き出す と説明しています.ゲノムが揃うと動き出すというのはどういうことなのか...わかりませんでした.

p.64(Kindle版 p.68)以降のゴミ回収作業員がゴーストハックされるところは,GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1996)の元ネタです.

p.81(Kindle版 p.85)でトグサが射撃をしながら「あッ」と言うシーンがあります.その後,トグサは「いくら相手が少佐でも 自分のゴースト侵入鍵を他人が持ってて それを使われるといい気はしないぜ」と抗議するのに対して,草薙素子は「お前が奴のアタマを狙ったりするからよ」と言っています.これは,犯人の頭を狙ったトグサの行動を草薙素子が瞬時に制御したという意味です.これ以外のシーンでもありますが,作戦中は9課のメンバーはおそらく専用の回線で繋がっていて,通信は勿論,侵入鍵によってゴーストに入ることなどが可能なのだと思われます.02 SUPER SPARTAN で無線だと盗聴される(枝がつくという表現)とバトーが言っているシーン(p.13(Kindle版 p.17))がありますが,この状況では盗聴防止となっているのだろうかと思いましたが,それに対する答えは見つけられませんでした.

p.94(Kindle版 p.98)で,荒巻大輔が「擬似体験も夢も存在する情報は全て現実であり,また幻なんだ」といいます.この言葉にはなかなか深みがあるように思います.

 

04 MEGATECH MACHINE 1 ロボットの反乱

p.95 (Kindle版 p.99)注釈に

フチコマはAI(人工知能)である.朝,あるいは1単位の仕事を始めてから個別の経験をし個体差が生じるが,夜あるいは1単位の仕事が終わると全機の記録(外敵刺激の記録や事故状況の記録・前行動,思考記録etc.)をネットして互いにデータリンクを行い,次の朝あるいは,次の1単位の仕事を始める時には再び均質なものとなっている.装備の点で個性はあるがこれとAIとしての均質性とはあまりカンケーがない.

という記述があります.なので,フチコマチームは常に最も働き,学習した個体のデータを基に知能,データがアップデートされるので,全機が最も賢くて(?),同じ経験値を持っている状態になっているということになります.フチコマは朝,もしくは1単位の行動後に,全機がすっきりと均一化されるので,どの個体に乗っても同じということになるのでしょう(それでもバトーは自分のフチコマを1機に限定しているとのこと).これらは,機械が得意なことで,人間でこれをやろうとして,作業前,後のミーティングなどをしても,個々人の経験や学びを共有して均一化することは ほぼ無理で,能力差や気持ち等は開いていく一方です.なので,データを取り込むということに関しては,フチコマのようなAI(人工知能)は人間よりも全然優れています.

p.96(Kindle p.100)フチコマ同士での貶し言葉が「バグ持ち」「ポンコツ」というのが面白かったです.ですが,バグ持ちも翌朝には治ってしまう,もしくは,全機バグ持ちになってしまったり,全機ウィルス感染してしまうので,貶せる時間はすごく短いのだと思いますが....

p.97(Kindle p.101)の注釈に,

人間の定義もあいまいなのに,人間を超える(意味不明)AIができた場合に人間はそれを認識できるだろうか.

という問いが書かれています.確かにその通りですね.

05 MEGATECH MACHINE 2 メイキング・オブ・サイボーグ

サブ・タイトルの通りサイボーグを作る工程が示されています.そうなんだぁ〜という感じです.漫画の中では,全身義体化している人や,部分的に義体化している人がいるという設定です.ここで,03 JUNK JUNGLE(2029.7.27)のところでも書いたのですが,物理的な限界について,バトーが腕だけを義体化した例が描かれています.義体の腕には,50kgの重さのものを持ち上げる能力があるものの,腕のみを義体化して50kgの物を持ち上げようとすると,その義体が取れてしまう(義体とくっついている腕,もしくは肩が耐えられない)ということが描かれています.以前のTHE GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊の感想などの投稿で,サイボーグは,義体破損の警告を自身で切ることができるのではないかと考えていましたが,ここで,50kgのオモリを持ち上げようとして腕がもげてしまい「わーっ」と驚いている姿からすると,義体化した際には破損の危険を知らせる信号は脳には伝わらないのかもしれません...(笑).多分そんなことはないとは思いますが....ここで,草薙素子が 部分サイボーグは「人間の能力を補う」全身サイボーグは「人間以上をつくる」 と解説しています.

ここで,この義体(サイボーグ)化に関して不思議に思ったことがあります.全身義体化してしまうと子どもを産むことはできないと思いますが,どうなのでしょうか.また,電脳化や義体化はどの程度の成長段階から始めるのかなどが気になりました.

終盤で,草薙素子が 私時々「自分はもう死んじゃってて今の私は義体と電脳で構成された疑似人格なんじゃないか?」って思う事あるわ と言います.これと似たようなことは,生身の人間でも考える(例えば,マトリックスのように,今感じていることは,現実世界のようでいて,実は仮想世界の出来事なのではないか...など)ことで,このようなことを感じたり,考えたりするのが人間の証なのかもしれないなと思いました.

 

06 ROBOT RONDO 10.1

このストーリーはイノセンス INNOCENCE(2004)の元ネタだと思われます(イノセンス INNOCENCE(2004)の感想はこちら).阪華精機のトムリアンデ型アンドロイドが暴走して殺人を犯してしまうという事件が起こります.

アンドロイドを製造している「阪華精機」という会社名を見て,同じようなネーミングの阪神電車を思い出しました.阪神は大阪の「阪」と神戸の「神」を合わせた物です.そう考えると,「阪華」は大「阪」と中「華」で中国の資本が入った会社なのだろうかと思いました.サイバーパンクの世界は,中国文化の影響が強い世界ですが,ここでもそのように考えて「阪華」というネーミングなのではないかと思ったりもします.

トリムアンデ型アンドロイドを探しているバトーがトレンチコートを着てネクタイを締めています.バトーはこれまでラフな服装でしたが,今回はビシッとしています.捜査中のバトーが「人口爆発に苦情を言ってもはじまらん」と言っています.上記の 05 MEGATECH MACHINE 2 メイキング・オブ・サイボーグ の箇所でも,義体化すると子どもが産まれないのでは...と書きましたが,人口爆発が生じるくらいに子どもが産まれているようです.

見本品のトムリアンデ型アンドロイドが狂うように仕込んだ繁華精機の久保沼部長は電脳化していなかったために自白剤を打たれています.ここで,全ての人が電脳化しているわけではないことがわかりました.また,この久保沼部長が狙撃され,犯人を追う際に,トグサがバトーのことを元レンジャーと呼んでいます.だからこそ,タフだし拷問もできるんですね.

p.137(kindle版 p.141)バトーは今回のトムリアンデ型アンドロイド暴走事件の発端となった(警察が自分たちを見つけてくれるように,ロボットが発狂するように久保沼部長にプログラムを仕込ませた)リンクとアダムを見つけ「犠牲者が出るとは考えなかったのか?」と問い詰めます.なお,イノセンス INNOCENCE(2004)ではこのセリフに続けて「人間のことじゃねえ.魂を吹き込まれた人形がどうなるかは考えなかったのか」と言っていました.

 

07 PHANTOM FUND 2029.12.24 

第7話は,アクションも豊富で面白いのですが,何故かひっかるところが少ない印象です.アクションの展開を面白い〜という感じで流してしまっているからでしょうか….

p.153(Kindle版 p.157) 九州庁 首都 福岡という地名が出てきました.今で言うところの「地方」が「庁」に変わったのでしょうか.それとも道州制のようなもので,州ではなく庁と呼ぶことになったのでしょうか.また,攻殻機動隊での首都は福岡です.

P.162(Kindle版 p.162) コイルに殺された矢野の遺体を葬るにあたって,イシカワが丁重に扱ってくれと言ってお金を渡したところ、受け取った方が丁重にだってさと言ってニヤニヤしています.これは単にお金を貰えて嬉しいのか,それとも別の意味があるのかわかりませんでした.話の最後に矢野のお墓があるので,お金だけ貰って何にしなかったといったことではなさそうですが….

P.170(Kindle版 p. 174) バトーのフチコマが「糸のブレーキオイルが凍って」と言って、ブレーキが効かずにズッコケている様子があります.これは,バトーが自身の専用フチコマに天然オイルォ入れていることが原因です.p.150 で天然オイルを入れて欲しいとフチコマが草薙素子におねだりするものの「アリやカビや凍結でトラブりたいのか」と言われて却下されていることの回収です.

 

以上,第一話から第七話までとても詳しい解説ブログを読みながら攻殻機動隊 / 士郎正宗を読み直してみました.第8話からは解説がないので,じっくりと解読する気で読み直してみたいと思います.それらに関しては別の記事で書いてみたいと思います.