
私が観たことのある Jaco Pastorius のビデオのレビュー(というか二重に買わないようにするための自分用のメモ)です.全くもってリアルタイムのリスナーではなく,何故,Jaco Pastorius に強い興味を持つようになったのかは,自分でもよくわかりません.
Jaco Pastorius Big Band Live in Japan

Jaco Pastoriusの1982年の武道館ライブ.収録曲は以下の通りです.映像自体は古いので粗い上に色味もよくありませんが,バンドのすぐ近くから捉えた映像なので迫力があります.
Jaco Pastorius は身体が大きく,手がものすごく大きい事がよくわかります.また,ステージに出てくる時などに,ノッシノッシと歩くような感じを見て,こんな感じに歩く人だったのかなぁと思ったりしました.この映像はYouTubeでも観ることができます.
Steel DrumsのOthello Molineaux が(楽器自体の)音域が狭い中で色々なフレーズを繰り出す様に驚きます(Steel Drumは鉄筋棒のようなものに番線で吊るしてありました!!).
82年の来日時はJaco Pastoriusの奇行が目立ったとされていますが,ステージを観ているかぎり,そんな風には感じません.Jaco Pastoriusもすごく楽しそうに演奏しているようにみえます.もし,リアルタイムでこの演奏を観ていたら感動したに違いないと思います.演奏関連で気になるとすれば…Randy Brecker の音が大きすぎるように感じることくらいでしょうか….
帽子を被ってバンドを巻いているのでわかりにくいですが,髪の毛は短く切ってしまった後のようです.
Jaco Pastorius の白いパンツが,結構なハイウエストです(笑).
- Invitation
- Soul Intro / The Chicken
- Dona Lee
- Continuum
- Sophisticated Lady
- Liberty City
- Three Views of a Secret
- Okonkole Y Trompa
- Reza / Giant Steps / Reza
Jaco Pastorius Live in Montreal

1982年7月のMontreal Jazz Festival での収録.この映像は上記のLive in Japan の2ヶ月ほど前の演奏なので,順番が逆になっています.なので,この時のJaco Pastoriusはロングヘアです(Jaco Pastorius は日本公演の時に髪の毛を切ってしまったらしいです).
また,Jaco Pastoriusは頬にペイントをして登場します(松下佳男氏のライナーノートによると,82年の春にネイティヴ・アメリカンの居留地で過ごした経験からと書かれています).しかし,Chickenが終わって一度下がり,2曲目のDonna Leeでステージに上がってきた時にはもう,ペイントを落としていました(笑).
Bobby Mintzer のバスクラリネットソロやDonna Leeがとても格好良いです.演奏に拍手が起こっても恥ずかしそうにペコリと挨拶するところがこれまた何とも言えません.Bobby Mintzer のオリジナル曲であるMr. Phone Bone もとても良い演奏で,このバンドがまとまっていることを感じることができます.また,アンコール曲のFunny MayではJaco Pastoriusの歌声も聴くことができます.
また,Michael Breckerはワウペダルを使って演奏しています.この時代の演奏をリアルタイムで経験してないので良くわからないのですが,Jaco Pastorius のルーパーを使ったインプロヴィゼーションや,Michael Breckerのワウペダルの使用(最初にtpにワウをかけたのはMiles Davis でしょうか?)は,当時は斬新だったのではないかと思うのですが,どうなのでしょうか.
収録曲は以下の通りで,バンドメンバーは,Peter Erskine (ds), Don Alias (Perc), Randy Becker (Tp), Bobby Mintzer (Sax) , Oyhello Molineaux (Steel Drums)です.
- Chicken
- Dona Lee
- Bass Solo
- Mr. Phone Bone
- Fannie Mae
Jaco Pastorius: Modern Electric Bass
Jaco Pastorius がエレクトリック・ベースの演奏に関しての指導,アドバイスを行う教則ビデオ(Gerald Joseph Stenhouse "Jerry" Jemmottがインタビュアー)に加えて,John Scofield, Kenwood Dennardとのスタジオライブも収録されています.教則ビデオ部分に関してはJaco Pastoriusが解説している内容についての譜面(↓)もついています.
このビデオが収録された頃の Jaco Pastorius はアルコール依存が酷くなっていた頃で,ホテルに缶詰になってアルコールを抜いてから撮影が行われたという記事を読んだ覚えがあります.その成果もあってか,Jaco Pastoriusは元気そうで,色々なことを語っていて,楽しそうに演奏しています.ただこのビデオが録画された1985年頃は仕事がほとんどなくなっていた頃だと思われ”Give me a gig”と言っているのが痛々しいです.
Jerry Jemmott が「過去に影響を受けて今でも弾いているモノ(フレーズ)は?」と聞かれ,B.B. Kingの “Live &Well”に収録されている“Let’s Get Down to Business”のベースラインを弾いて(これを弾いているのはJerry Jemmott)2人で笑い合うなど,Jaco PastoriusがJerry Jemmottを尊敬していることを感じることができます.
教則部分以降のセッションでもしっかりとした演奏を披露していますが,Jerry Jemmott のインタビューに答えるJaco Pastorius はどこか元気がないというか,落ち着きがないというような感じで,当時,あまり良い状態ではなかったのだろうと推測します.
YouTubeでもModern Electric Bassを観ることができます.
Joni Mitchell, Shadows and Light

1979年9月にカリフォルニア州のサンタ・バーバラ・ボウルでのライブを録画したものです.バンドは Jaco Pastorius(b),Pat Metheny(g), Michael Brecker(sax), Lyle Mays(key), Don Alias(ds, perc), The Persuasions(vo)と超豪華メンバー.これだけ強力なバンドを「従えている」という感じの Joni Mitchell の堂々たる感じは,さすがです.また,オープン・チューニングされたJoni Mitchell のギターの独特な響きがこれまた良い感じです.
Jaco Pastorius はしっかりとバッキングしながらも個性がグイっと出ている素晴らしい演奏です.なんといってもリズムが良いと思います.Jaco Pastoriusは何をやってもカッコいいのですが,このJaco Pastoriusにしか出せないリズムのガッチリ感というか,グルーヴ感というか,何と表現すれば良いかわからないこの感じ(ファンキーとも違うし,自分的に何にも分類できない感覚で,全くもって伝わらない表現しかできず…すいません)は,Only One だと思います.また,ライブの真ん中くらいには solo の時間がとってあり,ルーパーを使った演奏を聴くことができます.ルーパーと書きましたが,この時には現在存在するルーパーエフェクターは存在しないので, Jaco Pastorius は,デジタル・ディレイのホールド機能を使って,ループさせるソロ演奏を展開しています.また,ソロの途中にラックエフェクターを触って,歪ませたり,コーラスをかけたりしているようです.歪ませる感じは Jimi Hendrix を意識しているように感じます.現在のように色々なべダルがあるわけでもない中で,新しいアイデアを披露している Jaco Pastoriusq は,偉大な先駆者だったことを再確認できます.
個人的には ここでもJaco Pastorius の白いパンツが,結構なハイウエストなところが気になります(笑).
YouTubeでもこのライブ動画を見ることができます.
また,ツアーのフォトクリップを以下(↓)のYouTube動画で見ることができます.
Jaco Pastorius は,エフェクターを使った演奏を Weather Report でも披露しています.わかりやすいYouTube動画としては以下のものが挙げられます.Jaco Pastoriusはスタジオでは重ね録りによってダブらせて揺れを演出していますが,ライブではその感じを出すためにコーラスエフェクターを活用しています(30秒くらいから).
Weather Report でのデジタル・ディレイのホールド機能を使って,ループさせる演奏動画は以下で観ることができます(最初からループさせて,2分くらいから歪ませます.演奏しているのは Jimi Hendrix の. Third Stone from the Sun なので,やはり,歪みはJimi Hendrix 的な感じを求めているように思います.2分20秒からは,ドライとウェットを混ぜた音を出して,その後にディレイを切って,3分くらいから歪ませてハーモニクス奏法,3分30秒からモジュレーションがかかり,4分過ぎからはコーラスをかけているのではないかと思います.

2014年にアメリカで,2016年に日本で公開されて,DVDも発売されたジャコ・パストリアスのドキュメンタリーです.2017年には,タワーレコード限定バージョンとしてBlu-Rayが発売されました.
ジャコ・パストリアスの生涯についてや,家族や数多くのの音楽仲間たちの視点を通して,ジャコ・パストリアスに迫るといった感じの内容です.
METALLICAのベーシストであるRobert Turujilloがプロデュースしています.Jaco Pastoriusを語るミュージシャン達は,フリー,ジョニ・ミッチェル,ジェリー・ジェモット,ブーツィー・コリンズ,スティング,ウェイン・ショーター,ハービー・ハンコック,ゲディ・リー,カルロス・サンタナ,ピーター・アースキン、アルフォンソ・ジョンソン、ヴィクター・ベイリーなど多数です.
インタビューからは,ウェザー・リポートとジャコとの関係,演奏に関する考察,レコーディング・エピソードなどを聞くことができます.何故か,パット・メセニーのインタビューは収録されていませんでした.
色々な人のインタビューや Jaco Pastorius の映像を観ることができるのですが,その中で,Jaco Pastorius がステージに立たなくなり,路上生活をしていた頃だと思われるガムテープで貼り合わせたギターを持って道で歌っている映像が印象的でした.正直なところ,Jaco Pastorius の最後に関しては,色々と語られていますが,元気な頃に演奏している Jaco Pastorius しか観たことがなかったので,やはり,本当にそのような状態だったのだなと思いました.また82年頃から Jaco Pastorius の状態が悪くなっていき,その原因としてはドラッグやアルコールの影響が強くあったと思いますが,それだけではなく,作品の売行きや評価などのプレッシャーなど,Jaco Pastorius にとっての良くないことが色々と重なってしまったのかもしれないとも思いました.いずれにしてもとても哀しく,残念なことです.
ちなみに,販売されているDVD, Blu-rayには,映画の方では見られないボーナス映像(Disc 2)が含まれています.この企画の性質的には,DVD, Blu-rayで,色々なインタビューを聞くのが正しい(!?)ような気がします.
Official Trailer はこちら(↓).Official H.P. はこちら.
youtu.be他にも JACO the film というタイトルのYouTubeアカウントもあります.
また,JACO ではありませんが,YouTubeでは The Lost Tapes Documentary というドキュメントも観ることができます.
youtu.beYoutubeでもJaco Pastorius の色々な映像を観ることができますが,晩年のムービーのリンクを張っておきます.YouTubeのタイトルによると1985年と1986年の映像のようですが,両方ともトレードマークのThe Bass of Doom (Fender Jazz Bass ‘62) を使っていないようです.1986年の方はFender Jazz Bassですが,The Bass of Doom の使い込まれた感じではないので,別物だと思われます.
上の二つの映像では,Jaco Pastorius の長年の相棒であったThe Bass of Doomを使っていないことを記載しました.このThe Bass of Doomは,Jaco Pastorius が粉々(よくこの表現が使われていますが,ベースは粉々にならないと思うので,ボディを割ったとか,ネックを折ったとかといったことではないかと思います)にしてしまった後にリペアされ,現在は上述のドキュメンタリー映画 Jaco のプロデューサーでもあるMETALLICAのRobert Turujillo が所有していて,色々なベーシストがThe Bass of Doom を弾いている映像を見ることができます.
Jaco Pastoriusの息子であるFelix Pastorius がThe Bass of Doomを弾いている動画では,長くて,グイッと曲がるJaco Pastorius と同じ親指を持っていることがわかります.遺伝ですかね.
www.youtube.com持ち主のRobert Turujilloが弾く様子.The Bass of Doomは,メタルシーンでも大活躍です.