攻殻機動隊 マニア考 -THE GHOST IN THE SHELL, 08 DUMB BARTER-

冒頭でテロリストの相馬が脳のメンテナンスを受けている.メンテナンスと言うよりも,むしろバージョンアップのように見受けられる.これは後でわかることだが,ドイツ製思考戦車(シンク)とシンクロするために行ったことのようだ.相馬は,草薙素子が過去に唯一暗殺し損ねたテロリストという設定のようだ.ここで,士郎宗方氏のコメントに脳波は指紋同様個人識別が可能なので,アンプで増幅して鍵などに使うとある.脳波がどのような信号なのかは見たことがないが,そのようなものなのだろうか.

病院で治療(修理と言うべきか)を受けた草薙素子はトグサと一緒に車で移動する.この時,運転しているのはトグサだが,マニュアル車のようだ.機械が進歩しても車を扱う際には人間が制御した方がより高いパフォーマンスを発揮する,もしくは人間が思ったように制御できると言う設定なのだろうか.

トグサの運転する車で廃工場に到着し,尾行してきている連中から情報を得ようとしたところ,武装していることがわかる.少しして,もう一台大型のバンが到着し,そのバンをフチコマに破壊させるよう指示を出す.フチコマがバンを砲撃し,バンの近くに降りたところに,相馬のシンクロしている思考戦車が登場し,逆にフチコマは砲撃されてしまう.フチコマは損害を受けながらも「わお♡」などと言って,重装備の最新型戦車を見て喜んでいるところが面白い.これは,フチコマの思考が,自身を攻撃してくる可能性のある敵への恐怖(AIに対して感情として表現するのが適切かどうかはわからないが,攻撃による自身のこれ以上の損傷を避けるプログラムとでも言うべきかもしれない)よりも,最新型のメカニ対する興味の方が上回っていることの表現のように感じられる.

草薙素子は,思考戦車の攻撃によって左腕を損傷しながらも,トグサに指示を出しながら反撃のチャンスを探っている.この時,草薙素子は右手でナイフを使っている.前回の投稿(07 PHANTOM FUND)でも書いたが,やはりどちらの手でも先頭が行えるように訓練をしているようだ(当然と言えば当然なのだろうが).そこで,草薙素子は公安一課の彼氏と遭遇し,敵が公安一課であることを突き止め,本部に連絡する.本部のオペレーター(恐らくAI)は荒巻部長が公安一課の方に出向いていることを伝えるが,この時点で,荒巻部長は思考戦車が公安一課のものであることを突き止め,交渉に向かっていたようだ.荒巻部長は公安一課長に拳銃を突きつけ,思考戦車を退かせろと脅すが,思考戦車には相馬自身が乗って降り,公安一課では制御できないと告げる.公安一課は,相馬から麻薬王アナコンダの実名と麻薬取引の証拠を受け取る代わりに,草薙素子を売ったらしい.後でわかることだが,アナコンダ草薙素子にすでに射殺されて降り,公安一課の作戦は,全く意味のないことだった.公安は独自の判断で秘密裏に作戦を実行しているのだろうが,自分たちの作戦を成功させるために,課が違うとは言え,自分達の仲間を売る(しかも課員が独自の判断を行ったのではなく,公安一課長が判断している)ようなことは起こり得るのだろうか.恐らく,公安一課長にとっては,9課の課員を失うよりも情報を取得する方がメリットが大きいという判断なのだろう.設定では,実際にそのようなことが起こったということになっており,テクノロジーが発達しても,人間の思考にドロドロとしたものがある(この場合は,草薙素子の犠牲は止むを得ないという判断なのだと思われる.しかし,草薙素子はサイボーグだが,ゴーストを持っている.すなわち人間である)は変わらないということを表現しているように思える.

草薙素子の彼氏(公安一課の連中からは部長と呼ばれている)は,草薙素子をターゲットとすることを知らされていなかったようで,草薙素子を助けようとする.そこに,ボーマ(ボーマは登場回数が少ない...)がミサイルを打ち込み,思考戦車を破壊し,草薙素子は相馬を射殺する.

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