攻殻機動隊 マニア考 -THE GHOST IN THE SHELL, 04 MEGATECH MACHINE 1-

フチコマは並列化を行うAIである.なので,毎晩(もしくは仕事が終わった時点)個別の経験を共有して均質化される.これは,学習のスピードが物凄く早いことを意味する.この並列化による学習スピードは,どこかで頭打ちとなるかもしれないが,フチコマの台数が多いほど速くなると思われる.AIであれば当然,そのような機能を持っている方が良いに違いないが,物凄い機能であると思う.

ストーリーの中でフチコマ達は集会を開いている(この集会は草薙素子によって誘導された集会であったことが後々判明する).その中で,最近話題になることがあるシンギュラリティに共通する事が話し合われている.一台のフチコマが自分たちの情報処理能力が人間よりも優れいること,頑丈であること,および対応年数(寿命)が長いことを理由に,人類を支配してAIの世界を築く革命を起こそうとアジっている.その一方で,他のフチコマは革命にメリットがあるのかという意見を述べたり,人間はメンテナンスが大変だから,支配するよりも皆殺しにする方が良いとか,人間がいなかったら,フチコマのメンテナンスは自分たちでやらなければならないなどと議論する.このような議論ができるフチコマ(AI)は,相当高度なAIであると推測される.

士郎宗方氏のコメントにロボットは特定の入力(命令)に対して,特定の出力を行うシステムとある.一方,アンドロイドはメカトロニクス技術によって人間を作ろうとしてできたメカを指しているとある.また,アンドロイドはゴーストの存在を否定したい人が望む機械人とあるが,この辺の詳細な定義や境界については,イマイチよくわからない.今後,色々と調べてみたいと思う.また,別のコメントの中で,人間の定義もあいまいなのに人間を超えるAIができた場合に,人間はそれを認識できるだろうかという問いかけがある.これは確かにその通りのように思う.具体的にはどのような尺度で超えた,超えていないを判断するのかはよく分からないが,仮に超えたとしても,超えたことすらわからないように思う.例えば,現在でも計算処理速度は人間よりも断然コンピューターの方が高速である.この点では明らかにコンピューターは人間を超えている.しかし,人間はコンピューターが自分達を超えているとはみなさない.おそらく,超えた,超えていないというのは総括的な尺度であると思われる.これは,人間同士の評価でも同様で,あの人は自分よりも優れているというのは,評価をしている人(いまの場合は自分)がそのように感じているだけなのだと思う.優れている根拠として,この点が,あの点がなどと挙げることは可能だと思うが,それはあくまでも何となくそう思うとか,自分の中で重要と思っている点での優越を根拠に判断しているだけなので,実際に,総括的に優れているかどうかというのは,実はよく分からないことなのだと思った.これは優れていることだけではなく,劣っていることに関しても同様だと思う.合格者を決めるためにテストの点数をつけ,その優劣で判断する必要性はわかりやすい.一方で,人そのものの優劣は何のためにつけるのであろうか.

フチコマ達の集会は,結局,革命を起こしてもメリットがない(現状と大して変わらない)ことなどを理由に,有耶無耶となり,この議論は終わってしまう.その様子を見ていた草薙素子はロボットの反乱はないとは思いながらも,ロボット達の現状把握を行なっている点はマネージメントという視点から見ると流石だと感じる.また,草薙素子はロボットが本当に反乱を起こしそうになっても,あと4手くらいは考えてあると言っているが,この4手が後々の話の中で明かされるのかどうかはわからない.

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